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経営再建中の雪印乳業は5日、偽装牛肉事件の影響で業績が悪化している子会社の雪印食品を事実上、解体する方針を固めた。主力のハム・ソーセージ部門など事業ごとに分割し、個別に売却相手を探す。乳業本体は再建資金を確保するため、他企業からの資本参加を求め、提携相手は月内をめどに決める方針。乳業の牛乳事業は分社化の方向で継続する。同日午後に発表する。
雪印食品は偽装事件の発覚後、生肉部門からの撤退を表明。今後は売上高の4割を占めるハム・ソーセージ部門と総菜(デリカ)部門に経営資源を集中して生き残りを図る意向だった。
しかし、同社商品の最近の販売額は事件前の2割程度に落ち込み、牛肉の原産地表示に加え豚肉の表示も偽装した疑惑が新たに発覚するなど広がりを見せている。このため乳業は、雪印食品は社会的責任を免れず「会社の存続は困難」と判断した模様だ。食品自身が近く再建計画を公表する。
また、乳業本体は再建資金を確保するため、増資による外部資本の受け入れ方針を固めた。株主総会で重要事項の決議を拒否できる33.4%超の出資の受け入れ案も浮上しているが、「経営の自主性が損なわれる」として農水省や社内に慎重意見もある。資本参加先として、すでに業務提携しているネスレグループや伊藤忠商事、大手食品メーカーなどが取りざたされている。また、1社単独でなく、複数社が広く出資する可能性もある。
雪印乳業はこれまでの再建計画で、03年3月期の黒字転換を見込んでいたが、今回の事件の影響で計画の達成は困難になっていた。また、約65%を保有する食品株の評価損や、食品の事業整理で生じる損失の穴埋め資金が必要で、資本増強を図ることになった。
「赤字体質」が続く乳業の牛乳事業は、地域ごとに分社化を進めることでコスト削減を図り、個別に業務・資本提携を進めていく方向。今後も雪印グループの中核事業と位置づけ、いっそうの経営効率化を進めて収益の改善を図る。
雪印食品は02年3月期で26億円の当期損失を見込んでいたが、偽装事件による販売急減で赤字幅は拡大する見通し。食品はすでにパートや嘱託社員など約1000人を3月10日付で解雇する方針を対象者に伝えている。(10:33)