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<日本グローバル証券投資情報部長 末崎孝幸氏>
きょうもTOPIXがザラ場ベースのバブル崩壊後安値を更新したが、いくつかあるその要因の1つは、不良債権処理の進展に不透明感が否めないことを背景とした銀行株の下落だろう。12月に青木建設<1886>が経営破たんしたときに構造改革が進展していると期待させられる面があった。ただ、その後、経営が低迷しているゼネコンの経営統合や、ダイエー<8263>の再建策が発表され、銀行の不良債権処理を先送りしているという印象を否めない。政策当局に対する市場の不信感が強まっていることが、銀行株の下落につながっている。
また、NEC<6701>や富士通<6702>、東芝<6502>の10−12月期の業績は悪いものが出ると事前から予想されていたが、赤字幅が拡大という格好になっており、来期に本当に黒字転換するのかどうか見極めがつかなくなっている。ハイテクセクターのこういった厳しい側面が、投資家マインドを冷やしている。
加えて、今月から来月にかけて、銀行や生保の持ち合い解消売りが本格化し、地合いが一段と悪化するだろう。特に銀行の自己資本比率や生保のソルベンシー・マージンなどの観点からすると、リスクウエートの高い資産である株式の売却を加速させるだろう。この意味で需給面でも厳しく、八方ふさがりとなっている。
このことから、仮に米国株が上昇しても、国内では個別株に好感した買いが入る程度で、不良債権問題への抜本的な政策対応なしには、厳しい相場状況が続くだろう。