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「北の家族」に寒ーい北風−。低価格を売りに居酒屋チェーンを展開してきた北の家族(本社・東京都豊島区、長谷川浩社長)が17日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、事実上倒産した。負債総額は116億円。デフレ不況の深刻化や同業他社との競争激化が進む中、店舗や事業の拡大路線が裏目に出て、収益が悪化。不採算店閉鎖損失やグループの関連会社支援が重荷となり、赤字に転落していた。今後も店舗の営業は続け、飲食店・ホテル経営のセラヴィリゾート(本社・名古屋市)の支援を得て、再建を目指す。
長引くデフレ不況の大波が、ついに居酒屋チェーンまで飲み込んでしまった。北の家族は昭和35年設立。48年に新宿で居酒屋を開業し、居酒屋「北の家族」をチェーン展開してきた。「飲み放題」などの低価格コースを売りに、新宿や渋谷、池袋などの繁華街を中心に出店。サラリーマンや学生などが財布を気にせず利用できる、低価格居酒屋のはしりでもあった。
平成5年には店頭(現ジャスダック)公開を果たしたが、10年に現社長の長谷川氏が率いる「はせがわグループ」に買収された。
その後拡大路線を加速し、首都圏を中心に92店舗を展開。また、大衆的居酒屋だけでなく、洋風居酒屋や日本料理店、回転寿司店など店の種類も多様化、12年には関西方面にも進出を果たした。
しかしデフレ不況はますます深刻化、サラリーマンの財布のひもはかたくなるばかり。
同業態の居酒屋チェーンの「和民」(ワタミフードサービス)や「笑笑」「魚民」(モンテローザ)、「酔虎伝」(マルシェ)などとの競争が激化した。デフレが進む下では、安さだけでは武器にならず、料理の種類や味、店の雰囲気なども求められ、同業他社の中で特徴が薄まった同社は、厳しい戦いを強いられていた。
出店費用がかさんで収益は悪化。赤字となる不採算店も増え、店舗閉鎖を進め多額の損失を強いられた。昨年1年間で店舗数を54店にまで減らしていた。高級店を目指した関連会社への支援も経営悪化の原因となり、平成12年6月期決算では、連結売上高は前年同期比増となったものの、最終利益は26億円の赤字に転落していた。
長谷川社長は、退任する方向。
同社は現在、長谷川社長の持つ資産管理会社の傘下にあり、同じく傘下企業の冷凍食品製造会社、ケイビーも同日、民事再生法の適用を申請した。負債総額は204億円。