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1月も後半に入り、年末年始で小休止状態だった持ち合い解消売りが再び増えてきた。銀行保有株の買取機構が発足を控えているにもかかわらず、売り圧力は衰える気配を見せない。例年、都銀・地銀などの売り越し幅が最大となる2月を前に、兜町では日を追うごとに悲観論が説得力を増している。
●銀行勢、2月は5年連続で売り越し
2月は銀行勢が売り姿勢を強める時期だ。東証の統計では1997年以来、2月の「都銀・長信銀・地銀」は5年連続で売り越し。売り越し額は増え続け、2000年は月間で4916億円、2001年は5709億円と膨らみ、株価を崩す要因となっている。
持ち合い解消売りが通常の株式運用に伴う売りと違うのは、大量の売り注文が機械的に出ること。売却株数や期日は取締役会で決定される場合が多く、市場の動向に明るい証券会社が銀行の運用部門に売りを見合わせるよう提言しても、意見が活かされることは少ないようだ。「市場に出ている買い注文が少ないのもお構いなしで、銀行には連日のように売らされる」と、注文を取り次ぐ国内証券会社の中堅幹部は嘆く。
●テロ後の混乱でスケジュールは遅れ気味
昨年9月にあった同時テロ後の混乱で持ち合い解消売りを一時的に見合わせる企業が少なくなかった。このため、上期の売りが持ち越される下期は、例年以上の売り圧力が控えているとみてよさそうだ。
2月からは銀行保有株式買取機構が株式の引き取りを開始する予定。しかし「15日以降の注文状況を見ている限り、買取機構が稼動するまで株式売却を待つ雰囲気は薄い」(準大手証券)ようで、例年以上に厳しい2月になるのは避けられないようだ。
●安値拾いは3月まで待つ
持ち合い解消売りに当たって、秘密事項であるはずの顧客からの注文が漏れ、「X銀行がY証券を通じてZ社株をあと100万株売る」などと、生々しい情報が広まり、カラ売りが加わって株価が急落することも兜町では珍しくない。業績や事業環境に変化がないのに一方的に安値に押し込まれた銘柄ほど、低リスクでリバウンドを狙えるものだ。
一般投資家にとって迷惑千万な持ち合い解消売りだが、絶好の買い場を提供してくれる側面もある。銀行勢は昨年、決算月である3月、9月ともに中旬になるとなぜか買い越している。持ち合い解消売りで崩れた銘柄の安値拾いは、3月初頭まで待っても遅くはないかもしれない。
(半沢 昭悟)