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日本銀行の中原伸之審議委員は30日、佐賀市内で記者会見し、「デフレになったとき、金融を緩和するのは当然だし、金融を緩和すれば、他の条件が一定であれば、円安になるだろうと思っている。わたしの議論からは、望ましいとか望ましくないといった議論は一切排除されている。それから、人為的に円安誘導しようと思ってもできないと思っている」と述べた。
主な一問一答は以下の通り。
――中原委員が主張するインフレターゲットを設定しても、インフレにする手段がないという指摘があるが。
「デフレはインフレよりやっかいな現象だと思う。実は、サマーズ前米財務長官が日本に来ていて、わたしも会ったが、インフレと同様に、デフレも貨幣的な現象であると(言っていた)。従って、これは金融政策が非常に有効だと言っていた。わたしの主張とまったく同じだったので、意を強くした」
「(サマーズ前財務長官は)ベースマネーの伸びをどんどん増やしてみて、ある程度増やしてみて、ダメであればもう少し高めてみることが必要だと(言っていた)。インフレターゲットというのは、逆にいうと、ベースマネーを伸ばしたうえで、どこでやめるかというとき、インフレターゲットが1つの目標でもあるが、シーリングでもある」
――当座預金残高目標を一段と増やすこともあり得るのか。
「重要なことは、ベースマネーを15%なら15%、20%なら20%伸ばして、そこで様子をみて、足りなければまだ増やすということだ。具体的な数値は差し控えたいが、必要があれば、目標を引き上げる。十分にそれは実現可能だ。たとえば国債を買う。まだ国債を買う余地はたくさんあるので、ベースマネーを増やすことは十分可能だ」
――国債を大量に購入することによって、どのようなメカニズムが働いて、物価が上昇すると考えているのか。
「物価水準というのは中長期的にみて貨幣的な現象であることは明らかだと思う。(ベースマネーの拡大を)1年半とか2年続ければ、必ず物価に影響を及ぼすことはほぼ間違いないと思っている」
――国債買い入れ額の上限撤廃を再度、提案することもあり得るのか。
「提案を取り下げたのはごく目先では、これ(2000億円の増額)でやっていけると言うメドが立ったからであって、計算して、将来、どれだけ増やすという提案をするときに、現在のシーリングに引っかかりそうなら、もう一度(上限の撤廃を)提案する必要があると思っている」
――速水総裁は29日の講演で、「実体経済や物価、あるいは人々の先行きの見通しなどに影響を及ぼすといった現象は、これまでのところ、明確には観察されていない」と述べ、ここまでの量的緩和の効果に会議的な見方を示した。
「本格的に金融緩和を始めたのは昨年9月以降だ。金融政策のタイムラグは1年半から2年ぐらいかかるといわれている。まだ4ヶ月で効果が出るというのはなかなか難しいと思う。ただし、市場をみると、たとえば12月でみると、ベースマネーの伸びは米国に比べて年率8%以上高くなっているので、ここしばらく円安傾向が続いていることは、そういった金融緩和政策の表れであると思う」
「それは決して円安誘導したということではまったくないわけで、為替市場は、たとえば円安誘導を試みても、できるような簡単な相手ではない。1日の取引が1兆数千億ドルあるのでできない。いずれにせよ、コンスタントにベースマネーの伸びを高めていけば、いろいろな影響が出てくると思っている」
――円安は望ましいか。
「望ましいとか望ましくないといった議論は一切取らない。経済現象は物理学の法則とまったく同じだと思っている。デフレになったとき、金融を緩和するのは当然だし、金融を緩和すれば、他の条件が一定であれば、円安になるだろうと思っている。わたしの議論からは、望ましいとか望ましくないといった議論は一切排除されている。それから、人為的に円安誘導しようと思ってもできないと思っている」
――外債購入についての見解は。
「法律的な問題はほとんど問題ないと思う。円安誘導だから日銀法40条2項にはあてはまらないように思われる。それから、為替介入は、外国為替市場でアクションを取ることであって、それはある一定の為替水準をターゲットにしてやるわけだが、外債の購入の場合はそのようなことではなく、常にコンスタントに月々2000億円買うということなので、法律上の問題はまずないと思う」
「それから、なぜこのような提案をしているかと言うと、ベースマネーを増やすための手段を多様化したほうが良いということだ。それによって、日銀のオペの自由度が増えるということであって、いずれにせよ、買った外債はベースマネーを増やすための根雪になるのであって、売ったら損になるという意見もあるが、そういうことを目標にやるのではない。あくまでもベースマネーの根雪の部分を積みますということを考えている」