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東京株式市場の平均株価が再び1万円の大台を割り込んだ。最大の“戦犯”は銀行株だ。ダイエー救済策がまとまったのに続き、債権放棄組ゼネコンの経営統合が浮上してきたが、市場では「不良債権処理の先送り」との失望感が台頭。しかも、「本格処理を行えば、銀行の損失が拡大し、銀行の経営問題に発展しかねない」との見方が下落を加速させている。先送りしても、本格処理に踏み切っても売られるという泥沼状態なのだ。
30日の東京株式市場は寄付であっさり大台を割り込み、一時9864円まで急落した。29日の米国株式市場ではダウ平均が250ドルも急落したほか、田中真紀子外相の更迭も、「政局混乱」「構造改革の後退」などと嫌気され、売りを誘った。終値は前日比106円55銭安の9919円48銭。東証1部の全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は同13.99ポイント安の964.75と23日のバブル崩壊後最安値をさらに更新した。
1万円の大台割れは昨年10月10日以来、約3カ月半ぶり。年明け以降、再三にわたり、大台割れ寸前まで下落したが、その都度、土壇場で踏みとどまってきた。このため、市場では「心理的な抵抗線が破られることで、テロ事件直後に付けた9504円の昨年来安値まで一気に下落する可能性が大きい。これを割ると、歯止めを失い9000円割れも視野に入ってくる」(大手証券ディーラー)との危機感が広がっている。
ダイエーや債権放棄組ゼネコンなど、過剰債務を抱える大口問題企業について、市場は法的整理(倒産)による抜本処理を予想してきたが、その救済が浮上してきたことで、過剰債務企業の株価は回復傾向にある。ところが、銀行株はいっこうに立ち直りの気配すらみえてこない。
その第一の要因は「ダイエーは中途半端な金融支援による典型的な問題先送り。弱体ゼネコンを寄せ集めても、負債が減るわけではなく、何の解決にもならない」(外資系証券アナリスト)との失望感だ。
一方で、「中途半端なダイエー救済による追加負担ですら大きな重荷になるほど、銀行の体力は消耗している。抜本処理にはとても耐えられない」(民間エコノミスト)との見方が、銀行株の売りを呼んでいる。
不良債権処理はいよいよ解決策にみえない袋小路にはまり込んでしまったようだ。