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政府の経済財政諮問会議(議長・小泉首相)は26日、税制抜本改革の一環として、産業競争力の強化につながる税制改正に向けて着手する方針を固めた。企業の競争力を高めるため、研究開発費や設備投資費に対する税制上の優遇措置の拡大が柱になる見通しで、早ければ2003年度からこうした産業活性化税制を実施したい考えだ。
小泉内閣が目指す税制の抜本改革では、所得税の課税最低限の引き下げが焦点となるほか、「公平・中立・簡素」な税制の実現を目指す観点から、企業向けの税制優遇措置全体については縮小する方向だ。しかし、デフレ不況下で企業活動が委縮しがちな状況の中で、次世代技術の開発促進や産業空洞化の防止を図るためには、企業の税負担を軽減して、研究開発や設備投資に弾みをつける必要があると判断した。
一方、企業の活性化に向けて、法人税率の引き下げもテーマに取り上げるべきだとの意見もある。
企業の研究開発費に関しては、現行制度では、その年の研究開発費が、直前5年のうち、高い方から3年分の平均実績と、前年実績をともに上回った場合、増加額の一定割合を法人税額から控除できる仕組みとなっている。
しかし、最近ではIT(情報技術)不況などを受けて企業が研究開発費を削るケースも目立ち、「税制優遇の効果が発揮できなくなっている」(産業界)との声が強まっている。
このため諮問会議は、金額の増減にかかわらず、研究開発費の一定割合を税額控除する措置の導入を検討する。現行制度でも、中小企業には研究開発費の10%を税額控除することが認められており、この対象範囲の拡大などが議論される見通しだ。
また、設備投資に関しては、機械・設備などの減価償却費(費用)を、税法で定められた法定耐用年数とは切り離して、前倒しで計上できる「加速度償却制度」の本格導入を検討する。設備導入当初の税負担を軽減することで、投資を促進する狙いだ。
現在は、航空機などの一部機械や、中小企業の設備取得などを対象とした前倒し償却制度があるが、原則として設備投資一般に対象拡大を図る。特許権やソフトウエアなどの無形資産については、一括で即時償却できるようにすることを検討する。
さらに、設備投資額の一定割合を法人税額から控除できる投資税額控除を拡大し、環境やIT、生命科学などの重点分野では中小企業だけでなく、大企業でも使いやすい制度に拡充する。