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「きちんとした経営をしていても評価されにくい環境にある。(生保会社は)ある意味でスケールが信頼のようなビジ
ネス」
1月24日夕刻開かれた記者会見で、明治生命の金子亮太郎社長はこう断言してみせた。
今回の明治生命と安田生命の合併劇に対して、マスコミサイドはいくつかのキーワードを挙げている。その代表的な
ものを列挙してみると、“勝ち組同士の合併”、“系列を越えた合併”というところに集約されるだろう。
「確かに両者ともその経営内容は健全で、経営体力は十分にある。そうしたことから“勝ち組同士〜”というキーワー
ドが出てきたのだろう。しかしその実態は、そうした旧来の“勝ち組”ですら、ここへ来て顧客離れが急速に進みジリ貧
の状況に追い詰められている、というのが本当のところだろう」(金融庁関係者)
“勝ち組”という点で言えば、明治生命も安田生命も、とりあえず、有力格付け会社から“シングルA”を得ている生保
だ(スタンダード&プアーズ、2002年1月9日段階)。
その経営問題が取りざたされている三井生命と朝日生命の格付けが“BB−(マイナス)”であることを考えても、や
はり明治生命と安田生命は“勝ち組”ということになるのだろう。
「しかし“勝ち組”であることと、顧客から信頼・支持を得ているということは、まったく別の問題なのです。ここに生保
業界が抱える深い悩みがあるのです」(大手生保役員)
以下に示すのは、2001年度上半期(4−9月)における、大手生保各社の保険契約に関する解約・失効率だ。
(1) 三井…5.82%
(2) 安田…5.31%
(3) 住友…5.20%
(4) 明治…5.12%
(5) 朝日…4.86%
(6) 大同…4.71%
(7) 第一…4.28%
(8) 太陽…3.99%
(9) 日本…3.87%
(10)富国…3.10%
「“解約・失効率”が5%のラインを超えると、生保経営はとたんに厳しくなる」(大手生保役員)
このコメントを信頼するならば、明治生命、安田生命ともに、厳しい顧客環境に陥っていたことがよくわかる。
そして注目すべきなのは、次のコメントだ。
「各マスコミが一斉に両社の合併を報じた昨日は、朝から顧客からの問い合わせが殺到しましてね、両社とも本社
の代表電話がパンク寸前に陥ってしまったんです」(明治生命幹部)
現在、生保の契約者の不安心理は相当なところまで膨張している、とみていいだろう。
「ここ数日間、朝日生命と東京海上火災の合併問題がマスコミでいろいろと報道されていましたからね。契約者はど
うしてもネガティブな方向に考えてしまうというのが実情なのです」(大手生保幹部)
そう考えていくと、今後生保業界の再編劇はますます加速していくものと考えられる。
「もっとも、生保のビジネスモデルそのものが崩壊しつつあるだけに、単なる合併だけでは本質的な問題解決にはな
らないだろう」(金融庁関係者)