★阿修羅♪ 国家破産6 ★阿修羅♪ |
「地銀、第二地銀の預金が、ペイオフ解禁を直前に控えて、ここへ来て不気味なほどに流出傾向を強めつつある。確定数値の出ている昨年11月末段階の各行の預金残高をチェックしてみると、前年同月対比でマイナスとなっている銀行は、地銀64行中30行、第二地銀54行中28行というのが実情だ−」
金融庁幹部がこう言ってみせる。
「ただし、一部報道にあるように預金減イコール危ない銀行、と見ることはあまりにも短絡的過ぎる。それというのも、地銀・第二地銀の中には、意識的に“預金”を減少させている銀行もあるからだ」(前述の金融庁幹部)
ここで言う「意識的に“預金”を減少させている」というのは、一体どのようなことを意味するのであろうか。
「一部の大手地銀を中心に大口定期や公金預金といったロットの大きな預金については、譲渡性預金(NCD)に振り替える動きが出てきているのです。ところがこのNCDはその商品の性格上、“預金”あるいは“総資金”のくくりには含まれず、結果的に表面上は、預金減少という現象が発生してしまうのです」(大手地銀役員)
こうした傾向がハッキリしている銀行は、大手有力地銀に位置付けられている、秋田、横浜、八十二、山梨中央、山陰合同、山口などだ。
「こうした“預金”からNCDへの意識的なシフトは、言ってみれば“経費削減策”ととらえることができるでしょう。それというのも、“預金”にはその残高に対して0.084%分が預金保険料として課せられているからです。この預金保険料は銀行側が負担し、会計上は経費として処理されるのです。たかが0.084%といっても、実質ゼロ金利の時代に、銀行にとってこの負担は極めて重い。したがって信用力の高い銀行ほど、NCDへのシフト傾向を強めるのです」(前述の金融庁幹部)
こうしたことから、前述した大手有力地銀のように、信用力は高いが預金は減少、というパラドックスが発生してしまうのである。
したがって、“預金”あるいは“総預金(NCDは含まず)”という現象だけをとらえて、“危ない銀行”というレッテルをはることは大きな誤りだ、といえるだろう。
「しかしそうは言っても、信用力が低いゆえに預金が減少しているケースもあるのです。特に“個人預金”を減らしている銀行はその典型例でしょう」(大手地銀役員)
もっとも、この“個人預金”を減らしている銀行はそうは多くない。
都銀各行のケースで見ると、預金残高そのものを減らしている銀行は、あさひ、三井住友、大和、東海(2001年9月末ベース、前年同月比)と8行中4行にのぼるが、個人預金を減らしている銀行は、あさひ銀行だけというのが実情だ。
なぜあさひ銀行だけなのかについては、あえてここでは触れない。
また“個人資産”を減らしている地銀・第二地銀は以下の通り。
足利、千葉興銀、泉州、沖縄、中部、岐阜、わかしお、長崎。
ペイオフ解禁を直前に控えてのこの動きは、やはり不気味と言わざるを得ないだろう。
2002/1/24