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麻生自民政調会長の単独インタビューの発言(一問一答)
東京 1月24日(ブルームバーグ):自民党の麻生太郎政調会長が23日午後、党本部でのブルームバーグ・ニュースの単独インタビューで語った主な内容は次の通り。
構造改革、景気
−−今年は小泉内閣の「聖域なき構造改革」を実現する年と位置付けられるが、最大与党の政策責任者としてどう取り組む方針か。
「財政改革が前面に出ているのが一番間違っている。基本的には改革をしないと持続的な経済成長をしないというのは正しい。規制緩和とか、市場開放などの改革は今後とも必要だ。特殊法人改革、大学の独立法人化などが結構、進んでいるのは間違いない」
−−麻生氏は昨年末、ブルームバーグ・ニュースに対して「2、3月にデフレスパイラルに陥る可能性が高い」との認識を示したが、現在の景気動向と先行き見通しは。
「デフレスパイラルになっているとは思わないが、デフレになっているのは間違いない。今年度2次補正予算を事業ベースで4.5兆円としたおかげで、危機を回避する1つになった。ダイエーの問題も、一応、民事でことが進んだ。そごうと同じ形だったら雰囲気はもっと別だった。それなりの危機回避策をいろいろな形で打ちつつある」
「3月金融危機」
−−3月金融危機が取りざたされるなか、小泉首相は「金融不安に対してはあらゆる措置を行う」と表明している。具体的にどのような対応策があるか。
「銀行などが3月期決算をよく見せるために、企業が黒字で回転しているのに資金を回収し、結果として資金繰りがつかなくて倒産するのが1つだ。もう1つはペイオフを前提に、地方公共団体などが地方の中小・零細金融機関からカネを引き揚げる可能性がある。だから、大きな金融機関は助け、小さな金融機関は助けないという考え方は極めて危険だ。地方の中小・零細金融機関に危機が起きれば、即、中小企業全 体に影響が及ぶ」
「その種の危機が起きた時に、何分間でペイオフ中止とか、銀行を休むとか、公的資金を投入するかが危機管理だ。『皆さん方に集まっていただいて会議をする』というのでは話にはならない。そこはそこの責任者が1人で決めなければならない。度胸と判断力が問われている。柳沢伯夫金融担当相とか速水優日銀総裁が一番だ」
公的資金投入
−−実際に危機が起きるかは不透明だが、大手銀、地銀・ 第2地銀、信金・信組への公的資金投入を含めて迅速に対応するということか。
「信金・信組なら大きな信組が抱くとか、第1地銀が(第2地銀を)抱くとかきちんと対応しておかなければならない。倒すというのはあまり利口な方法ではない」
−−金融危機回避には公的資金の再注入しかないということだが、何をもって危機と判断するのか。
「危機が起きた時には、日銀が社債とかコマーシャルペーパー(CP)を買うとか、銀行を閉鎖しておいて、その間に合併するか、国有化するか、公的資金を投入するかだ」
「一番大きいのは、自己資本比率はあまり低くなくても、風評被害で取り付け騒ぎが起きる場合だ。その時その銀行は即死する。負債(預金)が足りない場合は債務超過になる。そうなった場合は、その分だけ資本を増やさなければバランスが取れない。そこが一番の問題だ。小さなところがそうなった場合、その信用金庫、銀行なりを何らかの形で他の銀行に吸収させることが必要だ。または公的資金投入を小さなところでもしないといけない。『小さな銀行も潰さない。倒産させない』というのが正しい姿勢だ」
−−公的資金を再投入は、大手行を中心に一律で投入するのか、それとも個別に投入するのか。
「取り付けが起きたところに対してというのが基準だ。(タイミングは)即座だ。2日や3日も待てない。20 −30分で決めてドーンとやらないと波及効果が大き過ぎる」
−−「金融危機特別対応会議」を開催するタイミングは。
「そんなものは開いてられない。金融監督庁長官が一発で決める。後で『開かなかった。開いた』という手続きが問われれば、(金融行政の責任者が)辞めればいい」
−−公的資金投入の決断時期は。
「取り付け騒ぎが起きたらすぐに分かるから、その段階で即やる」
−−投入方法は。前回は優先株を対象に投入したが。
「それは別に公的資金投入後の話だ。少なくともペイオフを凍結して、それでも続くなら銀行閉鎖にする。その1日、2日の間に吸収するのか、公的資金を投入するのかを決めるのではないか。優先株とかはみな統一に扱うことになるだろうし、減資することにもなるだろう。それぞれの銀行によって違う」
−−前回は銀行側が投入を申請したが、今回は政府が働き掛けるのか。
「取り付け騒ぎが起きた場合は、そんな悠長(ゆうちょう)なことは言っていられない。前回は、銀行も公的資金投入による国有化を恐れて、投入の申請額も極めて中途半端だった。これが今回の結果を招いている責任は大きい」
−−金融庁は公的資金投入の条件として、経営最高責任者の責任追及を挙げているが。
「公的資金を投入せざるを得なくなって、資本金の50%以下になった場合、少なくとも代表取締役は責任追及を免れない」
ペイオフ
−−4月に予定のペイオフ解禁に関する見解は。
「ペイオフを解禁する、というならやられてもいいが、取り付け騒ぎが起こった場合に『だれに責任を取らせる』という前に、混乱を瞬時に沈静化する対応が準備されていなければ、ペイオフなんてあえてやるべきではない」
−−「基本的にはペイオフは予定通り解禁し、不測の事態には公的資金の再投入も含めて迅速な対応策を打つということか。
「今はそれしか方法は残っていない」
2002年度補正予算
−−追加経済対策を柱とする2002年度補正予算編成の可能性は。
「1つは何にカネを突っ込むかだ。目的を明確にしておかなければならない。従来と同じものではだめだ。もう1つは、まだ2002年度予算が審議される前に補正の話をするのはおかしい。3月危機を越え、4月に入ってどうころがっていくかを見極めたうえでの話だ」
−−追加経済対策を選択肢として排除していないということか。
「そうでしょうね。景気動向はもっと厳しいものになる可能性は十分にある。特に失業率は男子で5.8%ぐらい行っていると思う。まだまだこの比率が上がると思うから、その段階でどうなるかをもう少し詰めなければならない。経済対策がいる可能性は十分にある」
−−その場合は、「国債30兆円枠」はこだわるべきはないとの考えか。
「そうでしょう。状況として去年の(米同時テロが起きた)9月11日ですっかり変わっている」
為替・株価市場
−−22日の日米財務相会談でオニール米財務長官の発言が「円安容認」と受け取られ、円相場は1ドル=134円を挟む円安で推移している。ファンダメンタルズを反映しているか。
「1ドル145円ぐらいという経済学者もいれば、120円台という人もいる。基本的に安定するのが望ましい。投機筋に売り浴びせられたり、買い浴びせられたりするのが一番具合が悪い。急激な円高・円安は良くないので安定しているのが望ましい」
「オニール長官は特に円安容認の話はしなかったが、『先進国で唯一貿易黒字国の日本がさらに黒字を増やすのを後押し押しているという話はいただけない。市場で円安になっているのは結果にすぎない。恣意的に政府が操縦することはあまり認められない』と言うだろうと思う。米国としては、これ以上、対日貿易赤字が増えるのは良しとしないと思う」
−−株価には一喜一憂しないというスタンスか。
「1400兆円の個人預貯金が預金から投資、消費に回るようにするのを税制で誘導するかなどいろんな方法がある。そういう意識変化が起きないといけない。じっとしていけばどうにかなるという話ではない」
デフレスパイラル回避策
−−デフレスパイラル回避策は。
「基本的には財政と金融の両方でやらないとできないと思う。すべて日銀だけに押し付けているだけでは動かない。寝ているカネを動かすには、家を買ったり建てる場合に贈与税を向こう何年間か無税すればいい。相続税はそのうち5000万円、相続人1人につき1000万円だから、約6000万円まで無税になるから、家を建てることを条件に6000万円まで向こう3年間は贈与税を無税にするといい」
「景気対策で残る手口は税制だ。課税最低限の引き下げという言葉が使われるが、払っていない人の数が日本は先進国の人口比で一番多い から、そこに税金を払っていただくのが原資になったりする。金持ちでじっと持っている人も使ってもらわなくてはいけない」
消費税
−−自民党は2月から税制調査会で税制の抜本見直しに入るが、消費税率の引き上げは。
「直間比率は少なくとも6対4ぐらいにする必要があると思う。その意味で所得税の引き下げだ。消費税は、引き上げをいつやるかは別にして、基本的にそっちの方で考えるべきだ。直間比率を見直さない限り、年金・医療はもたない。間接税で賄うのは基本的に正しい」
−−消費税の引き上げ時期までは決めないものの、議論はすべきという考えか。
「そういうことだ」
自民税調の抜本税制改正
−−党税調での結論時期は。
「常識的には概算要求までに一応考えようとしているだろう。7月までと思っているだろう。ただ内容による」
日銀の金融政策
−−日本銀行の金融政策について、麻生氏は「金融緩和を拡大しても効果なし。限界はあるのか」という質問書を出したが、本当に一段の金融 緩和の余地はないのか。
「日本銀行は少なくとも日銀法第2条によって物価やインフレに対して責任を負うことになっている。その意味でデフレに対しても責任を負うというのは正しい。日本銀行は金利政策から量的政策に変えたことでMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の取り付け騒ぎを乗り切った。これは日銀のおかげだ」
「だが実際問題として、日銀が金融を量的に緩和しても、企業の設備投資の需要がないのが一番の問題だ。この10年間で見ると、90年代の初め、金融機関は年間約50兆円貸し出していたが、98年ごろからこの2、 3、4年、企業から返済超が20兆円だ。だから資金需要に70兆円の差が起きている。加えて日本人は所得の約8−9%、GDP比で5−6%すなわち25兆円−30兆円ぐらい預金をする。70兆円の差が出たうえに、25兆円なり30兆円のカネが銀行に入ってきて、貸出先がなければ貸金業として成り立たない」
「日銀がいくらもっとカネがあるといっても需要がないからやっても仕方ない。少なくとも財政と金融の両方でやらなければならない。(日銀の金融緩和の)効果が限られているのははっきりしているのではないか」
東京 山村 敬一 Keiichi Yamamura
松下 芳子 Yoshiko Matsushita
高野 留美子 Rumiko Takano
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