★阿修羅♪ 国家破産6 ★阿修羅♪ |
小泉総理は東南アジア訪遊でまた日本の恥をさらした。
欧米同様に、東南アジア諸国も自民党主導の日本を見限っている。靖国神社参拝と帝国日本賛美の教科書公認のように総理が「平和民主国日本」を唱えても、だれも相手にしない。その上、政治と経済腐敗に手つかずの総理では、マレーシアのマハティール首相でなくても、「まず、貴方のお国を再建したら」と皮肉りたくなるだろう。
折から、竹中平蔵経財相がワシントンに来たが、ブッシュ政権の小物たちから軽く、「潰すべき銀行や企業はさっさと潰せ」と10年来のお説教だった。彼らの本音は、日本再建に必要な潰し方にも無知だから、当面の円安と兜町安で米企業による日本買いたたきである。
なにしろ、総理も、柳沢金融相も竹中先生も日本の不良債権処理に暗くて、性悪な銀行経営者による不良債権隠しと、貸付金のはぎ取りによる中小企業潰しを見破れない。
このままでは、いくら莫大な国民のお金(公的資金)を銀行救済に注入しても、また、ゼネコン救済と政治献金リベート確保に公共土木事業支出を拡大しても、不良銀行やゼネコンのバランスシート帳簿の一時的な整理にはなっても、不良債権は増えて、小泉恐慌による日本破綻は深まるだけである。
不良債権の実態はゼネコンや不動産開発会社が抱えている膨大な、売れない土地の塊である。これに加えて、銀行の不良経営者たちがトンネル会社(ノンバンク)を通して、「飛ばし」や「迂回融資」の詐欺的手法で隠している不動産の塊がある。
従って、不良債権整理には銀行への公的資金投入の前に、まず、金融庁は、これまで銀行で不良債権隠しをやっていた中高年元行員をせめて1000人採用して、3カ月内で、不良債権という名の土地の塊を洗い出さねばならない。土地が売れないのは購買力不足のせいではない。前近代的な競売や不動産鑑定方式に加えて、不動産取引にまつわる高負担の酷税や手数料に民事裁判の機能不全のせいである。また、債務処分の「ノーリコース(額面の債務額に関係なく担保売却処分実勢額で債務帳消し)」の法制化や債権者の損切り償却の無税化も欠かせない。
これらの大改革と同時に、潰す銀行は潰し、残りには経営陣の大刷新や内外他社への売却を条件に公的資金を注入して金融崩壊を防ぐ。「不動産の投資証券化(REIT)」もゴマカシだ。不動産が売れないのにこれを土台にした紙切れなぞを買ってはいけない。
(ニューヨーク市立大教授)
【2002年1月17日掲載記事】