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「マスコミにとってみれば、“大スポンサー”である野村証券に配慮したためか、ほとんどの大手マスコミが無視を決め込む中で、あの夕刊フジの記事は出色だった…」
大手証券会社首脳がこう言ってみせる。
この首脳が言う“あの夕刊フジの記事”とは、1月17日付の紙面に掲載された『野村1兆円ファンド資産半減首位転落』とタイトルされた記事のことを指す。筆者にとっては残念なことに、この記事は筆者の手によるものではなく、編集局発のものだ。
ここで以下に記事の内容をもう一度紹介しておくことにする。「国内初の1兆円ファンドと話題となり、追加型株式投資信託で純資産額トップを維持してきた『ノムラ日本株戦略ファンド』(運用・野村アセットマネジメント)が、ついに首位の座を明け渡したことが16日、明らかとなった−中略−これに対し、同ファンドに代わって首位に躍り出たのは、国際投信投資顧問が運用する『グローバル・ソブリン・オープン』で、信用力の高い先進国のソブリン債券に分散投資して、安定した収益の確保を安定的に目指すバランス型投信−後略−」
ここに登場する国際投信投資顧問とは、国際証券系の投信会社だ。
実を言うと、この「グローバル・ソブリン・オープン」は、一部証券業界関係者達の間で昨年末あたりから注目を集めていたファンドなのである。
それというのも、昨年12月28日段階でこのファンドの純資産総額が5000億円の大台を突破していたからなのだ。
「その段階で、『グローバル・ソブリン・オープン』が『ノムラ−』を純資産ベースで追い抜くのは時間の問題、というのが業界内での一致した見方だったのです」(中堅証券会社首脳)
もっとも国際投信投資顧問は、純資産ベースで2兆円規模と業界でも中堅規模に位置し、純資産ベースで16兆円を誇る野村アセットマネジメントとは規模の面で比べるべくもない、というのが本当のところだ。
その国際投信社の運用するファンドが、大野村グループの威信をかけて設定・運用してきた『ノムラ日本株戦略ファンド』を純資産ベースで追い抜いてしまったということで、証券業界では話題を呼んでいるのが実情だ。
「完全にメンツを潰された格好となったドクター・氏家としては、まさに真っ青といったところでしょう」(中堅証券会社首脳)
この『グローバル・ソブリン・オープン』とは、前述した記事にもあったようにOECD加盟国のうち、信用力の高い国(原則としてA格以上)の債券を主要投資対象としている投信商品で、「この商品の最大の特徴は、投信を購入した人に対して毎月安定的な形で分配金を出すことを最大の目標に置いている、ということなのです。言ってみれば、年金的な感覚でこの投信をとらえていただきたい、というのが我々のスタンスです−」(商品企画部広報課)
分配金に関するこの投信の昨年の実績としては、一貫して毎月40円(1万口あたり)を実現してきているだけに、その狙い通りに推移してきている、と言っていいだろう。
そしてこの投信の驚くべきところは、「97年12月に発売されて以来、これまで全く広告を打ってこなかったのです。つまり、口コミと販売会社さんの尽力でここまで伸びてきた商品なのです−」(前述同)という点に尽きる。
強引な販売戦略と大量広告で“1兆円ファンド”を一気に急成長させた野村グループは、この言葉にこそ耳を傾けるべきだろう。
2002/1/23