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「ダイエーの経営再建問題に関して言えば、まさに金融庁のやりたい放題、といった状況にある。金融庁は一部マスコミに
意識的、意図的な情報をリークすることで、これまでこの問題に対して慎重なスタンスを取り続けてきた三井住友銀行、UFJ
銀行への“包囲網”を構築しようとしており、その目論見はほぼ達成されつつあるのが実情だ−」(ダイエーの主取引銀行経
営中枢幹部)
その金融庁サイドがなぜかここへ来て徹底的にこだわっているのが、“週内決着”という部分だ。
つまり、今週中にダイエーの経営再建策をとりまとめ、これを発表する、というものだ。
「ダイエーの経営再建問題に関してこれだけ集中豪雨的な報道が続いているだけに、早急に再建策を詰める必要はあるだ
ろう。そうしなければ、ダイエーそのものがもたなくなってしまう。とはいえ、協議の進展状況から考えて、常識的な線としては
週内決着は難しい、と言わざるを得ない」(別の主取引銀行経営中枢幹部)
もっとも、ダイエーの経営再建策の中で最も重要な部分を占める金融支援策について言えば、ほぼその“骨子”は固まっ
た、と見ていいだろう。
金融支援の“骨子”は、以下に示す2つの柱からなっている。(1)主取引4行(三和、東海、富士、三井住友)が昨年2月に
引き受けた優先株1200億円の減資(2)ダイエーが抱える債務のうち約3000億円を株式化する(デッド・エクイティ・スワッ
プ)−というものだ。
つまりダイエーは、主取引銀行4行(旧行ベース、現状はUFJ銀行、富士銀行、三井住友銀行の3行)から、合計で約420
0億にのぼる金融支援を受けることになる。
実を言うと、このザックリ言って4000億円という金融支援の水準は、金融庁が描いたシナリオに完全に沿ったものだ。つま
り、主取引銀行の4行はこの“金融庁シナリオ”に従わされてしまうということに他ならない。
「金融庁サイドから“週内決着”、“週内発表”というプレッシャーがものすごい。その辺については今日(1月17日)詰めるこ
とになるが、最終的には金融庁サイドの意向を汲むことになるだろう−」(主取引銀行役員)
それではなぜ、金融庁はこれほどまでに“週内決着”にこだわったのであろうか。
「それは、金融庁サイドがダイエー処理問題を、“公的資金再注入問題”とリンクさせようとしているからです−」
金融庁幹部がこう言ってのける。
「その実態は別として、銀行の不良債権処理問題は、過剰債務企業の処理問題だと一般的には理解されている。そして、
公的資金再注入推進派は、『銀行がそうした過剰債務企業群を処理し切れないのは、それだけの経営体力がないからだ。
従って、不良債権処理問題に決着をつけるためには、銀行の経営体力を増強する−つまり公的資金の再注入が必要不可欠
だ−』と主張してきた。そして、彼らの言うところの“過剰債務企業群”の代表がダイエーなのです。金融庁としては、銀行に
独力でダイエー問題を処理する能力、体力があることを示すことで、一気に公的資金再注入問題を封印してしまうもくろみな
のです」(前述の金融庁幹部)
つまり、ダイエー再建問題に決着をつけることで、公的資金再注入問題を一気に葬り去る、というのが“金融庁シナリオ”な
のだ。
果たして、金融庁のもくろみどおりにコトが運ぶかどうか、まさに必見だ。2002/1/17