★阿修羅♪ 国家破産6 ★阿修羅♪ |
円安がすすめば輸出産業が楽になるのは明らかだが、同時にドル高となるから米国景気にとってはマイナスの働きとなる。
このあたりが悩ましいところで政府は米国筋のカンにさわらぬよう細心の注意を払ってきた。どうやら成功したようである。そのレトリックは、このままゆけばマイナス成長は確実、アルゼンチンに次ぐ震源となりかねない。円安は数少ない残った選択肢だ。
米国の輸出にブレーキとなるだろうが、もともと貿易は大赤字ではないか(そこまで言ったかどうか)。ドル高は資本流入の促進剤となる、と。
言われてみれば一理あり。まあやってみるかと言うと「米国円安を容認」とオニの首をとったようなハシャギぶり。あまりよろこぶと米国の方で「ハテ、よかったのか」と不安になる。
ただし、円安の根回しは米国だけで、それ以外は、特にアジアの国には寝耳に水。いずこも世界同時不況にくるしみ対米輸出が激減しているだけにライバル日本の円安は冗談ではないよ、である。東南アジア訪問の小泉首相も再三苦情を言われたし、中国、韓国も不快感をかくさない。
数カ月たって円安の効果が出てくるとアジア各国の切り下げ競争がはじまりかねない。1930年代の低為替ダンピング再来の悪夢がうかぶ。
グローバル時代と言いながら日本政府の念頭には米国しかない。なぜわれわれには説明しなかったとその他大勢からつめよられることになる。
もっともそれを言えば、われわれ国民にも円安政策の説明があったか。円安とは通貨の値打ちが下がることである。
この数カ月にわれわれの金融資産は15%から20%スリ減っている。それがいいことなのか。勝手にやる資格、権利を誰がみとめたのか。米国より国民へ、だ。(三連星)