★阿修羅♪ 国家破産6 ★阿修羅♪ |
経営再建中の大手スーパー、ダイエーの21日の株価は先週末の「新再生3か年計画」の発表にもかかわらず、ストップ安の展開になった。債権放棄を含む金融支援で、財務体質の健全化と負債削減の効果は見込めるが、肝心の本業の再建策が不透明なままだ。2月末の詳細な計画発表に向けて、営業力の強化策を打ち出す必要に迫られている。
ダイエーの高木邦夫社長は、18日に新3か年計画を発表した際、「過去の負の遺産を一掃できる」と述べ、赤字店舗の閉鎖で収益力が改善し、負債削減のスピードも早まる効果を強調した。
しかし、閉鎖店舗名は明らかにせず、50店舗閉鎖に伴う違約金などの損失額や、閉鎖後の連結ベースの売上高も示していない。
計画では2004年度に連結ベースの経常利益が540億円、単体でも270億円を目指すとしているが、道筋は不透明だ。
高木社長はユニクロのような収益力のあるテナントを自前で育てて、各店舗の地域の実情に応じて当てはめていく「カテゴリーバリューセンター(CVC)」構想を本業建て直しの切り札と考えている。
CVC構想で衣料品の収益力の下支え効果は出ているが、中期的にみれば、売り場をこれらの売り場で埋め尽くすことは難しく、従来からの通常の売り場との住み分けも課題だ。
ダイエーは昨年から衣料品のテコ入れ策として9000円の低価格スーツを販売しているが、この商品は通常の売り場とCVCの自前テナントの双方で販売されており、ダイエーの商品戦略は分かりにくいとの指摘もある。
目先の収益を挙げることを優先するだけでは、客単価の下落に歯止めをかけることは難しく、不安定な」株価の動きをにらみながら、本業の早期回復が大きな課題になっている。
◆支援策への不振?一時的現象?「ストップ安」の見方分かれる
21日の東京株式市場で、ダイエーの株価がストップ安になったことについて、市場では「支援策への不信感」、「利益を確定するための売りによる一時的な現象だ」との2つの見方が交錯した。
「中途半端な支援策への不信感が原因だ。22日以降もダイエー株が売られれば、支援策の適否が問われかねない」と指摘するのは、クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券の市川真一ストラテジストだ。普通株を減資し、一般投資家の株主責任を問う一方、銀行の貸し手責任や国の責任が明確でないことが売り材料になったと見ている。
一方、大和総研の中野充弘・投資調査部長は、「ダイエー株を売買しているのは、主にインターネット証券を利用して頻繁に取引する個人投資家。先週までに値上がりしたダイエー株を売って、利益を確定する動きが相次いだのではないか」と分析している。
ただ、どちらの立場も「ダイエーへの支援策だけで不良債権問題のすべてが解決したわけではない」という点では一致している。
◇
金融庁の森昭治長官は21日の記者会見で、ダイエーの再建計画の策定にあたって、UFJなどメーン3行に対して「市場が評価する再建策を早いタイミングで打ち出すよう示唆していた」と述べた。
森長官は「金融庁が借り手企業の再建策に直接関与することはありえない」と強調したが、不採算部門を切り捨てて収益性の高い分野に特化していく点など「金融庁の方針と整合性のとれたもの」と評価した。