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流動化進まぬ不良債権
「ジャパン・ペーパー」への警告
米政府、いらだち深める
「うま年で思い出したが、日本人はガリバー旅行記を読んだほうがいい」と知日派の米国人が薦める。ガリバーは最後の冒険旅行で知性と理性に満ちた馬「フウイヌム」が支配する国に漂着した。馬は欺瞞(ぎまん)と暴力の野蛮人間「ヤフー」を隔離支配し、ときおり家畜として使役し、国は栄え安定している。ガリバーにとってはフウイヌム国が理想の国で、永住したいとさえ願った。
ガリバーと同じくフウイヌム国を評価するこの米国人は二つの顔を持つ。大手米金融機関の日本法人アドバイザー。もうひとつは米軍予備役である。危機管理のプロとして、不良債権を買い取る米金融機関に日本の裏社会対策を指南するかと思えば、アルカイダ撲滅作戦を進める米軍部隊訓練の指揮にあわただしく出かける。いわば、フウイヌム国のヤフー対策前線指揮官である。裏社会が表のビジネス社会に浸透する日本もアフガニスタンもこの人物の目には同じ様なヤフー野放しの国に映る。彼ばかりでない。「裏社会の国日本」という見方は米国政府やマスコミ、ビジネス界にかなり定着している。
「日本は自力再建できない」――。今から一年前の米政権移行のとき、ブッシュ・チームが対日政策引き継ぎのためにクリントン政権から手渡された「ジャパン・ペーパー」にはそう書かれていたという。ペーパーのかなりの部分は日本の組織暴力団に関する綿密な調査に基づいて、不良債権処理の困難さを分析している。「日本ではやくざが表社会に入りこんでいる」「組織暴力シンジケートにコネを持つ政治家がいる」「裏社会に取り込まれている官僚もいる」などだ。
ペーパーは、国務省、財務省、国防総省、連邦捜査局(FBI)、中央情報局(CIA)など主要機関が競い合うようにして日本の裏社会を調べ上げた成果である。組織暴力団の舎弟企業の関与で処理、流動化できない金融機関の不良債権の問題に、本腰を入れて取り組む政治家、官僚はまずいない、とペーパーは鋭く突いている。
事実、民間側もさまざまなトラブルを恐れて不良債権買い取りにはちゅうちょする。代わりに米国の金融機関が不良債権を易く買い取る「ハゲタカ・ファンド」を設立して、つまみ食いする。裏社会を寄せ付けないためのノウハウをまとめてマニュアルにしており、汚れた債権をあまり苦にしない。それでも、最近は米国のバブル崩壊で、ハゲタカ・ファンドは日本よりも収益が高い本国への投資に目が向きがちだ。
ブッシュ政権はジャパン・ペーパーを重視しながらも、とりあえずは小泉純一郎政権の改革に期待し、後押しする政策をとってきた。確かに特殊法人改革など一定の前進はある。ところが小泉政権のもとでも肝心の不良債権処理は進まない。裏社会がからむ不良債権をきれいに処理し、流動化する対策を後回しにして、公的資金の注入や超金融緩和や円安容認によるインフレ推進や推進に議論が集中する毎日だ。
ブッシュ政権は日本にいら立ちを深めている。日本要因のために国際金融市場のフアンは消えないし、景気低迷でことしの議会中間選挙では共和党の苦戦が必至だ。米国民の支持獲得の点では日本よりも他のヤフー対策がはるかに優先する。アフガニスタンの次はイエメン、ソマリア、そしてイラクと反テロ作戦は終わらない。日本はジャパン・ペーパーの予測を覆し、不良債権処理の抜本処理を断行し、自力再生するしか道はない。
[日経1/13、「News反射鏡」より]
★コメント
日経にこういう記事が載り始めたというのは注目に値すると思います。
先日は確か、、、日本の不良債権問題を巡ってNSCが表に出てきたんでしたっけか?
反日悪魔教会を含む裏社会を構成する、数多の各組織には、
それぞれ固有の価値規範、流儀、国家観、「業務範囲」…がそれなりに混在したり、反目したりしているんでしょう。
何はともあれ、日本の闇社会が金融機関のマフダチとしてバブル利権に深く食い込んだことや、日本経済が丸ごと半殺しの恐慌転落スパイラルに放り込まれた最大の理由が、
まごまごして大損した国民の「ヤフー度」は勿論のこと、
何よりも多国籍金融資本がオノレの詐欺臭いボロ儲けのために振りかざしやがった高等数学的投機の罠にあったという事実を否定のしようがありません。
無視する事も、忘れる事も、民衆の関心を逸らさせてなお日本の富を巻き上げようとようとするあらゆる責任転嫁なじり倒しプロパガンダを信じる事も、もちろんできません。
ところで、日経系紙面も4月からとうとう活字が大きくなって字が減るそうなんですね〜。
しょーがないっか・・・国民のヤフー度が日々進化してしまったんだろうしなぁ・・・。