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経済財政諮問会議の「構造改革と経済財政の中期展望」の答申に併せて、内閣府は18日、基礎年金の国庫負担率を現行の3分の1のまま据え置いた場合と、2分の1に引き上げた場合の財政の姿を試算し、「参考資料」として諮問会議に提出、公表した。高齢化などで避けられない社会保障費の増大に対応するため、厚生年金保険料率の大幅増と、増税のシナリオを併記。内閣府では、増税策として消費税率の1%引き上げを例示しており、今後論議を呼びそうだ。
試算によると、国庫負担「3分の1」のシナリオでは、厚生年金保険料率は現行の17.35%が2009年10月に22.35%に大幅上昇する。一方、「2分の1」シナリオでは、2009年10月の保険料率は20.95%までのアップで済むものの、 2.4兆円の国庫負担増が必要になる。
内閣府では、この2.4兆円分の財源を捻(ねん)出する方法として、歳出削減などの方法のほかに増税も選択肢として指摘。具体的には、消費税率をちょうど1%引き上げると2.4兆円の増収になると説明している。内閣府は、こうした説明に他意はないとしているが、消費税増税論議に拍車を掛けるのは必至だ。
04年度以降は1%前後の物価上昇を想定
一方、「改革と展望」では、集中調整期間でデフレが克服され、その後は物価上昇率がプラスに転ずると見込んでいるが、日本銀行の金融政策との整合性には問題を残している。
内閣府の試算では、集中調整期間後の2004年度以降の物価上昇率(GDPデフレーター)は1%前後のプラスを見込んでいる。「改革と展望」でも、対象期間を通じて日銀に「適宜適切な金融政策」を期待している。量的緩和を物価上昇率が安定的にゼロ以上になるまで続ける方針を掲げている日銀が、緩やかながらもインフレ基調を容認する方針に転換するのか、関心を集めそうだ。
また内閣府は、金融政策について、日銀がマネーサプライを十分に供給することを前提にしており、量的緩和の打ち切りは想定外と説明。M2+CDのマネーサプライの前年度比伸び率については、02年度2.2%、03年度3%、04 年度4%、05年度5%、06年度5%と見込んでいる。
「改革と展望」は、国の公共投資について、追加景気対策の以前の水準に戻すことを目指している。「参考資料」では、毎年度3%程度の機械的な削減を前提に試算。「改革と展望」では、「その時々の経済動向を勘案しつつ」との文言を盛り込んでおり、景気動向によっては機械的な削減数値が実現できなくなる可能性もある。「改革と展望」実現の大きなリスク要因だ。
また「参考資料」には「国の一般会計の財政赤字の推移」も示されている。基礎年金の国庫負担が「3分の1」、「2分の1」いずれのケースも、2002年度国債発行額は30兆円だが、その後しばらくは赤字増大が続き、35兆円強まで拡大する。内閣府では、特に2003年度は、郵貯大量満期の減少による税収減要因があるなどと指摘している。