★阿修羅♪ 国家破産5 ★阿修羅♪ |
政府の経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は6月をめどに、税制の抜本改革についての「工程表」を策定する方向で検討に入った。03年度から5年程度は日本経済の活力を引き出すための期間と位置付け、特に当初2〜3年間は減税規模の方を大きくする案が浮上している。ただ、財政再建を優先する財務省や、主導権を奪われる形の自民党税制調査会などから反発が予想される。
工程表は5年程度の短期と、5〜10年程度の中期、2025年ごろを最終的に見据えた長期――の3段階に分けて、税ごとの課題を盛り込む。「活力、共生、公正」をキャッチフレーズとする。
減税を優先しつつ、歳出削減や経済活性化による税収の自然増などで財政再建と両立させるシナリオを描く。
具体的には、金融資産への課税を一般の所得とは切り離し、相対的に低い税率を適用。資産の有効活用を促すために相続税・贈与税などの軽減も提言したい考えだ。
財源としては、特殊法人への支出削減分や政府の保有株式の売却益など構造改革の成果を活用する。消費税率引き上げには慎重な姿勢を示す一方で、減税の効果で経済が自律的な成長軌道に乗れば、自然増収が期待できるとしている。
一方、所得税の課税最低限を引き下げて広い層に負担を求めつつ、累進構造を緩和し、税率の平準化を進める。消費税の益税問題を解消するため、流通段階での課税額を透明にする「インボイス制度」の導入を目指す。また、公共サービスに応じた負担を実現するため、赤字法人にも課税する外形標準課税の導入を検討する。
中期的には10年初頭をめどにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を達成し、社会保障などの歳出増に対応できる税制にする。長期では超高齢化社会に対応するため、持続可能な財政を目指す。
諮問会議は今月中にも税制改革論議を始める予定だが、政府与党内からは「シナリオが楽観的すぎる」といった批判も出そうだ。(