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訪英中の竹中平蔵・経済財政政策担当相は11日、イングランド銀行のジョージ総裁や英貿易産業省のピンダーＩＴ（情報技術）担当政府代表、バージン・グループのブランソン会長と相次いで会談し、経済政策などについて意見交換した。
ジョージ総裁は会談で、日本の不良債権について、「問題解決は重要だが、同時に需要面でデフレ圧力がかかるため、バランスをとることが重要だ」と指摘。これに対し、竹中経済財政相は、われわれは現在その方向で努力しており、不良債権処理を進める一方で、「４兆円規模の補正予算を執行、セーフティネットを整備し、需給のバランスをとろうとしている」と説明した。総裁は、日本の構造改革への取り組みについて、強い支持を表明。供給面の強化、規制緩和、民営化の重要性について、意見が一致した。
一方、ブランソン会長との会談では、同会長が「民間の自由な取り組みを阻害するような政策や規制を取り除くことが重要だ」と指摘。竹中経済財政相は「それこそわれわれが目指すところだ」と応じ、規制緩和、新しい競争政策の重要性を再確認した。
米英両国での会談を終えた竹中経済財政相は、当地での記者会見で、米英両国関係者との議論の相違点について、１）不良債権の問題、２）デフレの問題、３）規制緩和や民営化などその他の構造改革の問題、に分けると、米国では不良債権問題に関心が高かったが、英国ではその他の構造改革の問題に注目が集まったとの印象を示した。
税制改革ではリスクを取るチャレンジ精神が必要
記者団からの質問に答えた同相は、税制改革について、昨年６月にまとめた「骨太の方針」を取り上げ、リスクをとってチャレンジする方向に税制も向かうべきだとの見解を示した。これに関連し、日本ではこれまで貯蓄が税制上優遇されてきたが、今後はリスクをとって投資をする方に、税制上でより優遇すべきだと言明。「こうした方向性はすでに示されており、これを具体的に制度化していくことが重要だ」と強調した。
インフレターゲットでは英国の経験が役立つ
またインフレターゲットについて、同相は、英国の経験が参考になったと指摘。１）政府が目標を設定し、中銀がそれを具体的手段で実施するという役割分担がうまく機能している、２）金融政策の透明性を高めることに努力している‐‐などの点が今後の日本での議論の参考になると述べた。
同相は、「インフレターゲットの設定という英国の制度が日本にそのまま当てはまるとは思わないが、今後の議論のなかで役立てることはできる」と指摘。個人的意見として、「日銀は昨年３月に、ゼロインフレになるまで量的緩和を続けるとしているため、日銀はすでに暗に示す形で物価目標を持っていると解釈できる」との見方を示した。
数値設定については、「明確な目標設定は中銀の構造を縛ってしまうデメリットがある一方で、金融緩和を続けると逆に、行き過ぎたインフレ加速の恐れがあるため、はっきりした目標を持つことがセーフティネットになるというメリットがある」とし、今後議論する課題だとの認識を示した。
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