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【ワシントン逸見義行】
米司法省が犯罪捜査に着手したエネルギー販売最大手、エンロン(本社・テキサス州)の倒産事件で、ブッシュ政権と同社の親密なつながりが10日、相次いで明らかになった。米マスコミは「クリントン政権時代のホワイトウォーター疑惑を上回るスキャンダルに発展する恐れがある」(CNN)と大々的に報道している。民主党も今秋の中間選挙をにらみ徹底追及する構えで、ブッシュ政権の基盤を揺るがす事件に発展する可能性が出てきた。
ブッシュ大統領はテキサス州知事時代から、同社のレイ会長と親しく、最後に会ったのは昨年春の同州での会合だったことを認めた。大統領は「これまで同会長とエンロンの財務内容について話し合ったことは一度もない」と説明した。
州知事時代の93年から昨年11月までにエンロン側から大統領への献金は62万3000ドル(約8200万円)に上り、大統領にとって最大の献金者の1つ。昨年1月の就任直後に大統領と大手企業の経営者との対話集会を開いた際もレイ会長は招待され、ホワイトハウスを訪れている。
捜査を指揮するはずのアシュクロフト司法長官は、上院議員時代の99年から00年にかけて、5万7499ドル(約762万円)の献金を受け取った。このため司法省は10日、長官に加えて長官の首席補佐官を捜査の指揮から除外すると発表した。
さらに、レイ会長が同社倒産直前にオニール米財務長官、エバンズ商務長官、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長に個別に電話をかけていたことが明らかになった。エバンズ商務長官側は、同会長がエンロンの社債格付けで政府が支援できないかの打診があったことを認めている。オニール財務長官への電話は昨年10月28日と11月8日の2回、レイ会長からかかった。
フライシャー米大統領報道官によると「個別に電話を受けたエバンズ商務長官とオニール長官が協議し、政府は何も行動すべきではないということで合意した。2人は賢明な行動を取った」と説明した。
このほか、チェイニー副大統領のエネルギー政策チームが昨年、副大統領の1回を含めて同社側と6回会談を持ったことも明らかになっている。
エンロンは多くの共和民主両党の議員に献金をしており、政商として知られる。エンロン事件の捜査の行方は、米政界の最大の焦点に急浮上してきた。
[毎日新聞1月11日] ( 2002-01-11-20:55 )