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自民党は十日、大規模な金融危機が発生した場合に備え、政府が預金保険機構に確保している十五兆円の危機対応勘定の拡大を検討する方針を固めた。金融危機回避に向け、金融システムの安定化を図るのが狙いだ。
危機対応勘定は、二〇〇〇年五月の改正預金保険法成立を受けて設置された。金融機関が経営危機に陥った場合、資本増強や預金保護などのために政府が行う公的資金投入の財源となる。〇二年度予算案では、〇一年度と同額の十五兆円を用意している。
金融機関への公的資金投入については、小泉純一郎首相が年頭の記者会見で「金融危機を回避するため、あらゆる手段を講じる」と前向きな意向を表明している。
自民党としても、三月決算期末を控え、大手企業が資金難に陥る「三月金融危機」や四月のペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本一千万円とその利子までとする措置)の解禁による金融機関への悪影響が出かねないと判断。風評による預金の大量流出などに備えるためにも、将来的な積み増しを検討する準備があることを示し、金融システム全体に安心感を持たせるべきだとの意見が強まった。
積み増し額については、今後検討するが、党内には「十兆円規模」の積み増しを検討すべきだという意見も出ている。
ただ、積み増しについては、〇二年度予算案の予算総則の修正が必要となる。加えて、金融庁は「金融危機が発生しても現在の十五兆円で十分対応できる」と積み増しに慎重で、早期の積み増し実現には曲折も予想される。
■危機対応勘定
金融機関の資本増強、破たん処理のため、預金保険機構の公的資金枠に設けられている勘定。ある金融機関が経営難に陥った場合、首相が「国や地域の信用秩序の維持に、極めて重大な支障が生じる恐れがある」と認めれば、首相が議長を務める「金融危機対応会議」の認定を経て、この枠の中から公的資金を投入できる。2000年5月の改正預金保険法成立によって新設され、15兆円が積まれたが、これまで実際に使われたことはない。