★阿修羅♪ 国家破産5 ★阿修羅♪ |
米国市場では、NYダウ続落、ナスダック総合指数若干のプラス。シカゴ先物は10575円大阪比15円安で取引を終了。本日は、オプションSQを通過後は、3連休を控え模様眺め気分が強まることになりそうだ。ダイエーが福岡ダイエーホークス球団、ドーム球場そしてホテルを運営・所有する会社の株式を地元企業に売却し出資比率をいずれも50%未満に引き下げる方向で検討に入ったと一部報じられている。今後も同社の資産圧縮や「新再建3ヵ年計画」、そして、主力4行の動向は株式市場の注目を集めることになろう。
ただ、現状、不良債権処理に向けた動きは中断、先送りされた感が強く株式市場は残尿感のようなしっくりしない違和感が漂っている。スキッとしたいが、その決断が、政策サイド、銀行サイドでつかないのだろう。右肩上がりの状況ならば、時間の経過がプラスに作用するだろう。だが、マイナス成長が見通される右肩下がりの経済環境下では、時間の経過は事態をますます悪化させることになる。まるで、今すぐ手術をしなければならない患者に、執刀医が手術の失敗を恐れて鎮痛剤(モルヒネ)だけを投与しているような。これでは、患者の病気はどんどん進行していき最悪の事態で幕を閉じることが必然となる。
銀行の貸し出しが減少し続けている。1996年のピークの537兆円から2001年末には約440兆円と約100兆円減少しているのだ。資金需要がないからこれを国債購入に振り向け、気が付けば株式の持ち合い構造が崩れる一方で国債の政府と銀行の持ち合い構造が生まれる。当然、民間部門に資金が供給されず景気は一向に回復しない。そして、最後の金融危機のきっかけは国債の暴落がトリガーを引くことになる展開が想定されることになる。
裏を返せば、国債の暴落がなければ金融危機は起こらないから、それまでは株式市場の底割れは回避されるということで、ここに収益機会を見出そうとする動きが出てくるのだろう。ただ、それは、ロウソクの火が消える前に最後にパッと明るくなるような動きであり、極めてはかないものと眺めておく必要がある。TVCMをうって国債購入を訴える政府。政府はCMでここ10数年来の国債利回りのチャートと保有期間中の価格変動リスクをもっと消費者金融のCMの最後のテロップのように告知する必要があろう。いずれにせよ、国債価格が値を保っている間は、モルヒネが効いている期間(モラトリアム期間)とみて運用する慎重さが重要となる。
現状、銀行株、過剰債務に喘ぐ企業は決して売り買いともに触るべきではなかろう。