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政府は、金融危機を回避するため預金保険機構の「危機対応勘定(15兆円)」から銀行に公的資金を注入する場合の判断基準や方法に関する指針の大枠を固めた。公的資金注入の際に、従来の注入で条件とされた「銀行の資本不足」だけでなく、銀行の株価や格付けの動き、預金流出の状況など幅広い指標を判断基準に加えることが柱だ。
資本注入は議決権のない優先株を基本とし、金融危機の回避という特別な事情に配慮して、銀行の配当負担の軽減、繰り延べなど特例措置も検討する。金融庁は公的資金の再注入を想定して詳細なシミュレーションを繰り返しており、指針の策定を進めて「危機の時は(資本注入を)果断に行う」(柳沢金融相)態勢を整える構えだ。
小泉首相が4日の年頭記者会見で、「金融危機を起こさないために、あらゆる手段を講じる」と、銀行への公的資金注入に前向きな姿勢を表明した。ただ、金融危機への対応手順は決まっていたが金融危機と認定する条件は具体的に定められていなかったことから、金融庁を中心に指針の策定作業を急ぐことになった。
昨年から銀行株の急落が続いているほか、第2地方銀行の石川銀行を含めて金融機関の破たんが相次ぎ、金融システムの信認を回復するためには公的資金の注入が必要との声も強まっている。
今のところ深刻な資本不足に陥った大手銀行は見当たらないが、市場などの「不安の連鎖」が金融危機を誘発する危険を防ぐため、資本注入の指針を策定しておくことが必要と判断した。
具体的には、〈1〉銀行が金融市場で資金調達する際の金利が他行に比べて大幅に高くなった〈2〉企業や個人への貸し渋りが強まった〈3〉株価や格付けが短期間のうちに極端に低下した〈4〉預金の流出が顕著になった――などを総合的にチェックし、いくつかの項目に急激な進展が見られれば金融危機の恐れがあると判断する。
銀行に投入する資本は、議決権のない優先株を国が引き受ける手法を中心とする方向だ。議決権のある普通株で資本注入して銀行を国営化すると、かえって経営効率が低下するとの反対が強いためだ。ただ、優先株は普通株より配当負担が大きく、金融庁は優先株の配当利率を、国が日本銀行などから資金調達した際の金利と同等に抑える方針だ。