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10日の東京外国為替市場は、「通貨当局は急激な円安を警戒している」との見方が広がり、円が買い戻される展開となった。円安容認発言を続けてきた財務省幹部らが、この日になって姿勢を軌道修正したとも受け取れるコメントをしたためで、市場は当面、政府の真意を探りながら、神経質な展開を続けそうだ。
円相場は、朝方には円売り、ドル買いが進み、一時、前日午後5時比74銭円安・ドル高の1ドル=133円24銭をつけた。しかし、その後、財務省幹部が「急激な(円安の)動きは、いかがなものか」などと発言したことから、円売りを進めていた機関投資家などが円買い戻しの動きに転換。
午後に入って、塩川正十郎財務相が「2円以上の開きがわずか10日間かそれくらいで動いているのは、スピードが速いような気がする」と述べると、円買いが加速し、1ドル=131円01銭と1円23銭も円が買い戻される激しい動きとなった。
円相場は、「政府は円安を望んでいる」との観測が広がった昨年12月3日以降、1カ月余りで10円も円安・ドル高が進んだ。アジア諸国から急激な円安に反発する声が出ているほか、市場では、「企業は、為替が安定しないと事業計画を建てられない」などの声が出始めていた。
さらに、投機筋中心の相場でさらに円安が進むと、「3月期決算を乗り切るための円買い、ドル売りなどをきっかけに一気に円高が進むなど変動性が高い相場になりかねない」との指摘が出ていた。
市場では、「1ドル=140円まで円安が進む」(外資系証券)といったこれまでの共通認識が大きく揺らいでおり、「通貨当局は円安誘導の目標を達し、1ドル=125〜135円で、安定を促すオペに入った」(大手銀行)との見方も強まっている。
【藤好陽太郎】
[毎日新聞1月10日] ( 2002-01-10-23:16 )