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【ワシントン10日=永田和男】
米エネルギー企業「エンロン」の大型倒産は9日、司法省が刑事事件として捜査に乗り出したことで新展開を迎えた。エンロンはブッシュ大統領や共和、民主両党に幅広く献金を行っており、捜査で同社と政権との関係が明るみになれば、今秋に中間選挙を控えた政界の波乱要因ともなりそうだ。
負債総額約131億ドルを抱え倒産したエンロンは、昨年10月に10億ドルの特別損失を計上するまで不正な会計処理で巨額債務の存在を会計監査の目から隠していた疑いが持たれている。
エンロンはブッシュ大統領がテキサス州知事選に出馬して以来の有力資金源で、2000年大統領選では全体の10位以内に入る11万ドルを献金するなど政界に幅広い人脈を持つ。
エンロンとの関係で当面の焦点になりそうなのがチェイニー副大統領だ。
ホワイトハウスは9日、民主党のヘンリー・ワクスマン下院議員の問い合わせに対し、副大統領本人や補佐官が昨年2―10月にレイ会長らと計6回会談した事実を確認した。
エネルギー政策での意見聴取が目的とされるが、最後の会談があった10月10日はエンロンの特別損失計上で経営危機が発覚するわずか6日前に当たる。
副大統領側がエンロンの粉飾決算や経営状態を知らされていたか、知らされていたとすれば何らかの対策を講じられなかったのかが関心を呼ぶ点だ。
フライシャー大統領報道官は9日、「私の知る限りホワイトハウスでエンロンの経営状態を話していた人はいない」と語った。しかし、エンロン役員は信用不安が広がる前に持ち株を売り抜けたのに対し、一般投資家や大量に解雇された社員など、倒産による被害の広がりは深刻。
「ブッシュ(父)政権を揺るがした、貯蓄貸付組合(S&L)破たん問題を思わせる」(政治資金監視市民団体幹部)など大きな政治問題化を予想する声も出ている。
(1月10日22:35)