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「今年中に構造改革実行の姿を1つでも提示しなければ、日本はいよいよ混迷していく」――。オンライン証券大手・マネックス証券<8626>社長の松本大氏は2002年の日本経済について、「本当に諸外国から相手にされなくなる」としたうえで「今はまさしく瀬戸際」とし、世界の中で日本の置かれている厳しい状況を説明した。オンライン株取引についても「過度な期待は禁物。個人取引のうちの80%を占める韓国には、当分は及ばないのではないか」との見通しを示した。激動の次にくるのはより深い混迷か―。松本社長に2002年日本経済の行方を語ってもらった。
●財政、金融、経済の全てが破たん
――厳しい1年が暮れましたね。
松本:日本が置かれた状況を見るならば目を覆うばかりだ。マーケット、つまりお金の流れは財政、金融、経済が三位一体となって動いていくものだ。何年か前の日本であれば、どれかが悪くても残りが良くて結果的にはある程度の水準を維持してきたものだ。ところが今はどれもひどい。財政と金融は破たんしてしまっているし、その上に成り立っている経済も当然形を成していない。これでは上手くいくはずも無い。
――最も大きな原因は?
松本:やはり政治ではないか。小泉首相になってから期待ばかりが大きくなっているが、首相を取り巻くブレイン、抵抗派、さらに小泉政権に期待を寄せる人たち・・・いずれにも共通することは“中長期的な視点”を持てない、ということだ。なんでも結果を早く見たがる。結果が具体的な形となって見えない限り、安心しないし、極端に言えば信用もしない。
●まずはリセットすることが先決
――つまり目先ばかりを追い過ぎている・・・と。
松本:そう。小泉首相は就任前から構造改革を訴え、現実に実行に移している。しかし、周囲は全て具体化した結果ばかりを求めている。はっきり言って構造改革とは今あるいわば体制ともいうべきものを、1度、壊してしまうことにほかならない。リセットすることが三位一体の再構築には絶対に必要なことなのに、それがいまだにみえてこない。
――2002年になってこの状況には変化があるのでしょうか。
松本:分からない。しかし、今年2月から3月、あるいは9月以降、年末までにちゃんとリセットした形が見えなければ、日本経済は大変なことになろう。2001年暮れに株価が大きく下がり、結局、それ以降も回復の兆しがみえない。実は昨年9月11日の米国同時多発テロで最も経済的なダメージを受けた国は、当事者である米国では無く、この日本だ、との認識が世界的には定着している。これは何を意味しているか?
●海外から見放されてきた日本経済
外国人投資家は9・11ショックから立ち上がれない日本を見放し始めているのだ。構造改革という掛け声は大きくて、誰もが期待したけれど結局何も動き出していない、という現実から海外勢は失望売りに転じているのであろう。このまま進んでしまえば、日本は自力再建のきっかけを逃し、海外からの圧力によって構造改革を進めざるを得ない状況に追い込まれるかもしれない。そうなってくると日本人によって日本経済をコントロールすることすらままならなくなってしまうだろう。
――そうすると現在の日本経済はボトムラインにあるのですね。
松本:確かに長い底のトンネルをくぐってはいるのであろう。しかし、ことマーケットに限ってコメントするならば、昨年末から現在にかけての株価は、市場からのコンセンサスが得られているものなのではないか。つまり今の日本の実力から考えれば、現在の株価はそれなりの数字と言ってもおかしくないということだ。
●オンライン証券も過度な期待は厳禁
――オンライン証券も厳しい時代ですね。
松本:2002年の個人投資家オンライン取引比率は60%強といったところではないか。70%には乗らないと思う。米国の40%をすでにクリアしており、ここまで順調に数字を伸ばしてきた日本もそろそろ過渡期に入るかもしれない。韓国の80%にはまだまだ到達しないと思っている。ただし、パイは増えていかないかもしれないが、淘汰によって競合相手も減ってきている。海外のオンライン証券企業が昨年相次いで撤退したこともその現われであろう。日本には日本に合わせたビジネスがある。どんなに厳冬の時代であっても勝つ者が残ることだけは確かだ。
○URL
・マネックス証券
http://www.monex.co.jp/
[市川徹 2002/01/10 15:25]