★阿修羅♪ 国家破産5 ★阿修羅♪ |
米国市場では、ハイテク株中心にNYダウ、ナスダック総合指数ともに上昇していたが、アメリカがイラクを攻撃したとの噂が市場に流れた模様で急速に失速。結局、NYダウは56.46ドル安、ナスダックは10.85p安で取引を終了した。シカゴ先物は10700円大阪比30円高で終えており、本日の東京市場は、特に材料の無い限り方向感乏しいもみあいとなりそうだ。
一方、日経店頭平均は8日間続伸し9%の上昇となっている。投資家は1-3月期に加速する持ち合い解消売りを避けるべく行動しており、当面この傾向は続くことになろう。また、本日一部報道された、米国での米銀が子会社等を通じて保有する株式について投資額の最大25%を自己資本から差引く新規制の導入も、(現状の導入可能性は小さいものの)将来の日本の銀行が対応を迫られる可能性が発生したと警戒しておきたい。 昨日一部報じられたダイエーへの債権放棄を含む主力4行の支援検討。ダイエーがストップ高買い気配まで買われ、その連想から他の過剰債務経営不振企業が一部上昇する。反面、その可能性が報じられた銀行株は軟調推移。市場は、債権放棄という先送り方法に対して評価を与えていないと言えよう。
先送りの可能性が高まったことで「モラルハザード相場」が始まる可能性が高まったようだ。即ち、借りたカネは返さなくてもいい、経営に失敗してもきちっとケジメをつけなくても良い、そのような企業に投資していても損をしなくていいという相場だ。ただ、仮にそのような相場が出現したとしてもそう長くは続かないだろう。経済的な合理性を欠いた企業や行動は淘汰、破滅、失敗するのが必然と考えるからだ。
今回の先送りによって、株式市場の底入れは5-6月に先送りされる可能性が出たかもしれない。当面は、モラルハザードを伴いつつ破綻回避を好感する相場が演じられ、3月末決算を通過しペイオフが解禁された後に、目も当てられない危機に見舞われる可能性が出たと警戒しておきたい。つまり、経営の失敗は倒産、事実上の破綻企業への投資の失敗は株券が紙くずになるという形で取らせるというフェアな対応を取り戻すまでは、この国の株式市場の本当の意味での底入れはないだろう。ただし、短期的にはモラルハザード相場の出現で指数は底堅い動きとなりそうだ。
例えば、連結株主資本比率が50%以上で今期予想PERが20倍程度、株価300円以下等の条件でスクリーニングして、投資対象を選別して資金を投じてみる局面と考える。ただし、日本経済の本質は変わっていないことから、損切り撤退は迅速に行う必要性は高いだろう。