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【ニューヨーク8日=土屋直也】
米大手証券メリルリンチは8日、アルゼン チンの経済危機を理由に、同国に銀行子会社を持つ米大手金融2社の2002年 の利益見通しを下方修正した。シティグループの1株利益を3.35ドルから 3.30ドルへ、フリートボストンの1株利益を3.25ドルから3.15ドルへ引き下 げた。発行済み株式総数から推定した最終利益の減少分はシティで約2億 5000万ドル、フリートで約1億ドルとなる。
アルゼンチン政府はペソ切り下げと同時に債務者保護のため10万ドルまでの ドル建て借り入れを1ドル=1ペソでペソ建てに変更できる措置を表明して いるため、銀行側に巨額の為替差損が発生する可能性が強まっている。同国 政府は損失補てんの考えも明らかにしているが、メリルリンチの金融担当ア ナリスト、クラウシャー氏は「非常にあいまいな措置だ」とあてにできない との考えを示した。