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米国初の楽観ムード!深追いは程々に
-- 2002.1.7(月)掲載 --
1月4日の大発会は、日経平均株価が昨年末の終値比328円高の1万0871円で引けた。大発会としては1996年以来の6年ぶりの上げ幅となるなど、まずは順調な滑り出しといえるかもしれない。
昨年末から新年初めにかけて強気論が台頭したのは、
(1)米国景気の先行きに楽観ムードが広がったこと、
(2)外国為替市場で円安ドル安が一段と進んだためである。
ハイテクなど輸出関連株を中心に打診買いの思惑が広がり、それが大発会の大幅高につながったと思われる。
しかし本格的な株式売買は今週(7〜11日)からが本番である。
米国株高を背景に外国人投資家による積極的な日本買いや、半導体需要の底入れを好感したハイテク銘柄への資金流入によって底堅い展開になるのか。それとも過剰債務企業の信用リスクや金融システム不安への警戒感、あるいは株式持ち合い解消の売り圧力へ懸念から、再び下値模索の展開になるのか。その強気材料と弱気材料のバランスを占う上でも、今週は重要な週といえるだろう。
結論からいえば、個人投資家は昨年後半と同様に、慎重なスタンスで望むべきではないだろうか。
米国では景気の先行きへの楽観論が強まっているが、要警戒である。過去の推移を見ると、急回復シナリオが急浮上しては企業業績の結果に失望し、株価が下落するパターンが続いてきた。今回も過去のケースと同様に、「過剰期待→失望→株価下落」の連鎖から決別できると確信させるような証拠が明確になっているわけではない。
米国の景気は、在庫調整の進展、大胆な金融緩和、原油価格の下落などによって、今年の下半期から緩やかに回復に向かい始めるとみるのが現実的だ。
日本経済のデフレ圧力も深刻である。景気の重要な指標である鉱工業生産は、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行が経営破綻した1998年当時を下回っている。個人消費、設備投資、住宅着工、輸出など、牽引車として期待できるものは何もない。
円安は確かに輸出企業にとって目先的には福音となるが、長期的はマイナス要因である。円安は日本人の所得と円資産の価値を実質的に目減りさせてしまうからだ。円安は、両刃の剣なのである。
こうした景気の実態悪に持ち合いの解消売りという需給悪が重なれば、相場の頭はしばらく重いと考えるべきだろう。2、3年の保有覚悟ならハイテク銘柄はそろそろ買い場といえるだろうが、目先的には期末に向けて業績が安定しており、配当や株主優待を加味すれば実質高利回りとなる銘柄が人気化する可能性がある。
(『オール投資』編集長 川島睦保)