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(回答先: アルゼンチン、1ドル=1.5ペソに下落〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 1 月 08 日 13:01:12)
【ブエノスアイレス7日=片山雅文】
経済危機から混乱が続くアルゼンチンは6日、ドゥアルデ政権のペソ切り下げを柱とする経済改革案が成立し、11年にわたる「1ドル=1ペソ」のペッグ(連動)制に終止符を打った。今後は固定と変動の二重相場によって財政再建を目指すが、システムは複雑なうえほころびも多い。政治に対する国民の怒りは収まっておらず“一触即発”の状態だけに、同政権には大きな試練が続きそうだ。
「選択肢がないから賛成はするが、土台のない経済政策は高い崖から身を投げるに等しい」−。アルゼンチンの実情は、六日の上院の審議で議員の一人が述べた言葉に尽きる。
一九九一年四月の導入後、5000%を超えるスーパーインフレ抑制に効果を発揮したペッグ制だが、ペソがドルに引きずられて高止まりし、事業コストが高騰。輸出競争力が低下し、不況を招く悪循環に陥った。
通貨切り下げが局面打開の唯一の策とされる一方で、再インフレの懸念も強く、国民の負債の80%以上がドル建てという実情での切り下げは借金の膨張に直結する。
切り下げは一か八かの賭けといえるが、改革案には問題点も多い。
例えば、ドル建て負債の一部を十万ドル(約千三百万円)まで一ドル=一ペソでペソに切り替えるという国民負担の軽減策。個人住宅の購入に限った当初案から「非ぜいたく品」に対象を広げたが、負債内容の確認方法や限度額の線引きは不透明で不満が噴出している。
通貨切り替えで目減りする銀行の債権を“補(ほ)填(てん)”するために設定予定の石油製品への20%課税にしても、狙いはアルゼンチン国内で事業展開する米国やスペインなどの外国企業からの資金吸い上げにあるが、結局はそうした企業で働く国民にはね返る可能性が高い。
一方、緊縮財政を掲げながら二〇〇一年度予算の赤字は、国際通貨基金(IMF)との合意の二倍近い百十億ドル(一兆四千億円)にのぼった。
レメス経済財政相は六日の発表で「外国の債務者と二月初めに交渉を始める」とした。「切り下げやむなし」のムードが広がっているとはいえ相手の理解を得るのは容易ではなさそうだ。
◇
≪新通貨制度要旨≫
一、通貨ペソと米ドルとの一対一での交換を保証するペッグ(連動)制を廃止し、一ドル=一・四ペソの固定相場とする。
一、固定相場と並行して、旅行業などを対象に変動相場を導入する。
一、不動産などに関する個人ローンや、中小企業の借入金のうち十万ドル(約千三百万円)以下のドル建て負債には一ドル=一ペソでペソ建てに移行できる。
一、銀行預金の引き出し制限は九十日間継続。
一、ドル建て契約は、百八十日間に限り一ドル=一ペソでペソ建てでの支払いが可能。
一、国際金融機関に百五十億−二百億ドルの金融支援を要請。
(時事)