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1年前、米モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッターのストラテジスト、バイロン・ウィーン氏は投資家に対し、米国は大方の予想に反してリセッション(景気後退)入りし、企業収益は大幅に落ち込むと警告した。その警告は見事に的中した。そんなウィーン氏が、ことしも2002年の「年間びっくりリスト」を発表した。
ことしで17回目となるびっくりリストには、ウォール街の通説に反して、ウィーン氏が2002年中に起こる可能性があるとみる出来事が列記されている。
具体的には、1)米景気は年初に強さを見せたあと再び落ち込み、リセッションに転落する、2)景気低迷により米国株は大恐慌以来の3年連続下落となり、グリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長は辞任に追い込まれる、3)米国債相場は大幅に上昇し10年債利回りは4%を下回る、4)日本のリセッションは続き、小泉首相は辞任する、5)原油価格は上昇し1バレル= 30ドルを超える――などだ。
多くの専門家の予想が似たような内容になりがちななかで、ウィーン氏の予想は的中率こそ低いものの、その大胆さが投資家の人気を博している。
昨年のリスト
昨年、ウィーン氏は予想をいくつか的中させた。1)10年債利回りは「4%割れをうかがう可能性がある」、2)日本はリセッション入りする、3)電子家電小売りチェーンのベスト・バイとサーキット・シティ・ストアーズ、住宅関連用品小売り大手のホーム・デポとローズは2001年下期に「有望銘柄」になる ――などの予想だ。10年債利回りは11月に4.2%を下回る水準に低下、その後上昇し5%を超えた。
苦手な予想
もちろん、外れた予想もある。ウィーン氏は、2001年の冬は寒さが厳しく原油相場は1バレル=40ドルに上昇すると予想したが、実際は9月11日の同時テロの影響により、原油相場は約32ドルの高値から大幅に下げて20ドルを割り込んだ。
人事や政治の予想も苦手なようだ。
昨年は欧州中央銀行(ECB)のドイセンベルク総裁の辞任を予想。その1年前には、米大統領選挙でブラッドリー元上院議員が勝利を収めるとみていた。
ことしは、1)エンロンの破たんをきっかけに、ポピュリズム(大衆主義)のうねりが高まり、民主党が中間選挙で安定多数を占める、2)「米国の宗教的基盤を弱めた」として冒険フィクション「ハリー・ポッター」を批判したことで、アシュクロフト司法長官が辞任に追い込まれる――などの予想を立てている。