★阿修羅♪ 国家破産5 ★阿修羅♪ |
米国市場が反落した。シカゴ先物は10825円大阪比15円安で、外部環境好転を支えに動いてきた東京市場は、本日は主体性無く米国同様の動きとなることが予想される。とは言え、森金融庁長官が「現状は金融危機ではないが、今後、(公的資金による資本注入は)必要ないとは言えない」と述べ将来的な注入可能性に言及するなど、金融システムへの政府の関与期待が相場の下支えとして働くことになるのだろう。
12月第3週の投資主体別売買代金差額では、個人、外国人、生損保、銀行が軒並み売り越す中で、信託銀行が1797億円と大幅に買い越している。信託銀行経由の年金資金が相場を下支えしている需給の構図は相変わらずだ。この需給の構図は当面続き、全体指数を結果としてPKO的に支えることになりそうだ。
個人投資家・市場関係者と投資に興味及び縁の無い国民との現状の経済情勢や政治に対する認識は驚くほど異なると考える。銀行に資本注入することの必要性を小難しい言葉で説明することは困難で、結局、後者の多くの国民に対しては、分かりやすい社会現象(大型破綻)を具体化することで、その注入を認める社会的コンセンサスを醸成することになると考えておきたい。
福袋を買い求めに数万人の消費者がデパートに並んだことが話題になった今年の正月であったが、現状の日本は、預金の払い戻しを求めて預金者が数万人、銀行に並ぶ可能性が排除できない状況と危機感を持ってを見ておく慎重さが必要だ。なお、公的資金注入で底堅い動きを見せる銀行株だが、一体どのような形で注入されるかが明らかになっていない以上、つまり、株主責任が問われるか否かが明らかになっていない以上、当面、銀行株は触るべきではなかろう。
経営に失敗した企業では、経営者が責任を取ることと株主が責任を取ることはある意味当然であり、これなしの世界を認めるとモラルハザードが蔓延することになる。株主が責任を取らされるはずがないという(前回注入時のように)考えもあろうが、取り敢えずリスクを考える投資家は、税金投入無しでは生きられないかもしれない銀行株は触るべきではなかろう。
商売して利益を出して税金を払える企業は買い。政府の保護無しでは生きられない企業は売りだ。マイカルを突然死と言って憚らない国のモラルが今後問われることになる。あれは必然死、大成火災はある意味不幸な突然死。このような説明がなされるまでは、不良債権処理は市場の期待するスピードで進まないとみておきたい。それまでは、株式市場に流入する資金は他人のカネを運用する資金に限定されそうだ。そして、万が一その資金運用が失敗したら、国民は保険料の値上げ等で尻拭いをさせられることも覚悟しておく必要があろう。