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「1月中にも、IMF(国際通貨基金)の代表団が日本を訪問する予定になっている。その目的とするところは、邦銀が抱える不良債権の実態を調査するところにある−」
在米シンクタンクの著名エコノミストがこう言ってみせる。そしてこう続ける。
「その調査結果は、対外的に公表することになっており、その段階でIMFが認定した不良債権の総額が明らかになるだろう」
もっとも、IMF認定の不良債権総額が、従来公表されてきた不良債権の総額を大幅に上回ることは必至の情勢と言っていいだろう。
「IMF調査団の審査結果が、仮にそうした内容になったとしたら、邦銀の信用力が大きく落ち込み、再び金融システム不安が発生する可能性が高くなってくることは間違いない−」(大手都銀役員)
当コラムでもたびたび指摘してきたことだが、IMFイコール米国−つまりブッシュ政権、という構図にあることは紛れもない事
実だ。
つまり、邦銀の不良債権処理問題が、近々日米間のメーンテーマとして再び急浮上してくることは確実だろう。
実はそうしたことを予見するかのような出来事が、昨年暮れの段階で起こっていたのである。
昨年暮れ、静岡県御殿場市で米・ハーバード大学大学院が主催するシンポジウムが開かれた。このシンポジウムに、ダム米財務副長官とハバード経済諮問委員会委員長が出席していたのである。
「昨年9月に発生した同時テロ以降、米政府の高官はさして重要ではない国際会議については、テロを理由に出席を控えていたのが実情です。これまでそうした状況であったにもかかわらずここへ来て2人の米政府高官が、そうしたシンポジウムに出席するためにわざわざ来日したのには、2つの理由が考えられます。1つは、米政府の対テロ戦体制が終息しつつある、ということ。そしてもう1つは、米政府が日本の経済問題を最重要視しているということです」(財務省幹部)
前述のシンポジウムでダム財務副長官は、以下のような発言をしている。
「日本政府は、財政再建よりも不良債権処理を最優先させるべきだ。財政再建は後回しでもいい−」
そして、この“ダム発言”は、ストレートな形で米国政府の意向を反映させたもの、と言えるだろう。
「とはいえ、こうした米国政府の意向は、えん曲的な形をとりながらも、小泉政策の批判となっているのです。もちろん官邸サイドにも、こうした“米国政府の意向”は確実に伝わっています。だからこそ、ここへ来て小泉首相の口から主要行に対しての“公的資金再注入論”を容認する発言が出てきているのです−」(官邸中枢幹部)
もっとも、官邸・金融庁サイドは、主要行に対する公的資金の再注入を決断したわけではない。
いま少し事態の推移を見守る、というのが基本スタンスだ。
「そうした意味で、金融庁も官邸も、事態の深刻さをまだまだ正しく把握していない。タイミングを逸すれば大変なことになる−」(本稿冒頭のエコノミスト)
“2月危機”、“3月危機”は現実のものとなるのだろうか。
http://kabu.zakzak.co.jp/kinyu/kiji/kinyu0107.html