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欧州で一月一日から、自国通貨に代わってユーロ紙幣・ 硬貨の流通が始まり、米ドルに次ぐ巨大経済圏が本格稼 働した。ユーロ通貨が市中に出回って、ユーロ参加諸国 の市民が実際に統一貨幣を手にすることで、ユーロ相場 や欧州の景気はどうなるのだろうか。
為替相場については、ユーロの市中流通によって国境を 越えた連帯感が強まり、欧州中央銀行(ECB)はこれま で以上にユーロ信認の向上に努めることになるとの見方 が強い。MTBCバンク・フランクフルトの為替・金利 担当、小沢秀一氏は「参加国市民はユーロへの関心を高 め、強い通貨を望むようになり、ユーロ相場は上昇す る」と指摘。二〇〇二年を通して、一ユ−ロ=一ドルの相 場へと、ゆっくりと上昇すると予想している。
野村総研ヨーロッパ(ロンドン)の上級エコノミスト、大 越龍文氏は「今年第二・四半期には、予想される景気回 復とともに、一ユ−ロ=〇・九二−〇・九三ドルまで上昇 する。その後は一年を通じて同水準付近での狭いレンジ の取引が続くだろう」とみる。
ユーロ貨幣の流通開始の欧州経済に与える影響について は、小売店での貨幣の取り違え、交換時の計算違いなど による混乱もあった。このため、「ユーロ切り替え前の タンス預金消化の反動や消費者の買い控えなどで、ユー ロ流通開始後一−二カ月間は個人消費が抑制される可能性 がある」(東京三菱証券の投資戦略部シニアエコノミスト の矢口満氏)、「小売店での混乱を避けようと、消費者の 買い控えが広がり、消費は抑えられる可能性がある」(大 和総研フランクフルトの下井雅裕支所長)との指摘も。
ただ、「物価が落ち着くとともに、消費も回復する」(M TBCバンクの小沢氏)、「アメリカ景気の底打ちによる 景況感の改善をきっかけに、欧州景気は第二・四半期に 上向く」(野村総研の大越氏)との見方も多い。ECBは 十二月の月報で、二〇〇二年のユーロ圏経済成長率は 0・7−1・7%にとどまるものの、二〇〇三年には2 −3%と伸びが加速するとの見通しを示しており、ドイセ ンベルク総裁も二〇〇二年上期の景気回復を予想してい る。
(ブルームバーグ)