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4月のペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円とその利息とする措置)解禁を前に、財務基盤の脆弱(ぜいじゃく)な地銀、信用金庫の淘汰がいよいよ本格化してきた。年末の第二地銀・石川銀行破たんに続き、年が明けてからも、中部銀行(本店・静岡市)に対し金融庁が、銀行法に基づく早期是正措置を発動したことが5日までに明らかとなった。昨年10月以降、信金、信組は実に35もの組織が破たんしている。小泉首相はペイオフ解禁を延期しないことを明言しており、地方金融機関の“大整理”は今後も加速することが予想される。
中部銀への早期是正措置発動は、同行の自己資本比率が、単体で3.05%、連結で2.63%と、健全行目安の4%を大きく下回ったため。金融庁による融資内容の特別検査の結果、追加引当て48億円を求められ、13年9月中間決算発表時の自己資本比率4.93%(単体)、4.70%(連結)から大幅に下方修正され、最終損益も5億円の黒字から43億円の赤字に転落した。早期是正措置の発動は、昨年末の福島銀行以来。同時期には石川銀が自主再建を断念し、破たんしている。
ペイオフ解禁を前に地銀、信金、信組の淘汰が進んでいるのは、多額の不良債権処理損失によって経営体力が劣化しているためだ。地銀・第二地銀94行の不良債権処理損失は、13年9月中間決算時点で約8600億円。19行が最終赤字に転落した。不況により融資先の地方企業の経営が悪化し不良債権が増加しているほか、時価会計導入によって株価低迷が有価証券の含み損を生み、自己資本を圧迫していることも重しとなっている。
大手銀行と全く同じ問題を抱えているわけだが、元々の財務基盤があまり強くないため、金融庁による特別検査の結果、不良債権の大幅な追加引当てを求められると即、自己資本比率の低下へとつながり、破たんへ結びつく。
金融庁側は、柳沢金融担当相が大手行以外の金融機関について「20−30社を整理し、健全行のみでペイオフ凍結解除を迎え、その後1年−1年半は破たんさえないよう」事務方に指示しているとされる。しかし、その大手各行についても決して対岸の火事ではないのが事実。日銀の速水優総裁は、「自己資本が10−11%というが、税の前払い分を勘案すると核の自己資本はその半分では」と指摘。「十分引き当ては行ったが、自己資本比率は10%台を確保」との大手各行の“公式見解”を真っ向から否定しているのだ。
大手行ですら国際水準での実質自己資本は平均で5%台という深刻なこの事態。預金者はどこに虎の子の現金を預ければいいのか、真剣に悩まなければならない時代となった。