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2002年の米国商品先物市場では、ニューヨーク原油(WTI)相場が昨年9月以降の弱い地合いを引き継ぎ、安値圏で推移すると予想されている。金相場は1オンス当たり300ドル達成を視野に上昇が続くとの見方が出ている。一方、シカゴ穀物市場では、大豆相場は上昇、トウモロコシ相場は下値を探る展開が予想されている。ただ、2−3月ころまでは南米の天候が引き続き穀物相場の変動要因になる。
原油相場は安値圏で推移
2002年のニューヨーク原油(WTI)相場は、昨年と比べ低水準で推移すると予想されている。日本ユニコム・調査部の渡辺勝方次長は「石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国による1月からの日量約200万バレルの減産・供給削減を考慮しても、1バレル当たり17−24ドルの範囲内が予想される」としている。
国際エネルギー機関(IEA)の見通しによると、2002年の世界の原油需要は日量7660万バレルと、前年の7600万バレルから60万バレルの増加にとどまる見通し。過去10年間では平均100万バレルの増加が続いていたため、大幅な需要後退が示されている。一方で、石油輸出国機構(OPEC)の積極的な減産姿勢、アフガニスタンの対テロリスト戦争終結、戦争終結による米航空ジェット燃料需要の回復期待など、相場の下支え要因も一部ではみられるが、世界的な景気低迷による需要の伸び悩みが、引き続き原油相場の圧迫要因になりそうだ。
金相場は1オンス300ドルを目指す展開
ニューヨーク金相場は堅調な値動きが予想される。第一商品の園田征次顧問は、2002年は金相場を押し上げる国際的な需給要因が相次ぐと指摘したうえで「1オンス当たり300ドル台を目指す展開」と述べた。
海外の機関投資家の貴金属ディーリングからの撤退で、世界での金の先売りポジションは減少、また、産金業界の統合・合併によるヘッジ(保険つなぎ)戦略の見直しで、大量の金が買い戻される可能性も出てきている。そうしたなか、昨年中国に金取引所が創設されたことで、中国の金市場の国際化と金投資のすそ野拡大が期待されている。
昨年9月の米同時多発テロで、米国のカントリーリスクが浮き彫りになり、ドル建ての金融資産が持つ投資リスクが市場で意識されるようになったことも、引き続き金投資を促す材料になるとみられる。
大豆は堅調、トウモロコシは軟調か
シカゴ穀物相場は昨年、米国と南米の豊作観測に伴う先安感から下落傾向にあったが、今年は大豆相場に反発の機会がありそうだ。米農務省(USDA)が2001年9月―2002年8月の穀物年度について、大豆の推定生産量は過去最高、トウモロコシも高水準を予想するなか、南米でも豊作観測が強まっていることで、シカゴ穀物相場は昨年、軟調な展開となった。そうしたなか、市場関係者は、調査会社スパークスが1月に発表する米国の穀物作付け面積見通しに注目している。同社は、大豆の作付け面積が減少、トウモロコシは増加と予想しており、大豆には好材料となる可能性がある。さらに、アルゼンチンやブラジルなど中南米で、大豆の遺伝子組み換え比率が急速に高まっていることで「米国産の遺伝子非組み換え大豆の買い付けが進むと期待される」(カネツ投資顧問の商品アナリスト、斉藤和彦氏)という。ただ、シカゴ穀物相場は2―3月ころまで、作付け期を迎えている南米の天候に左右される展開が予想される。