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小泉純一郎首相は、経済構造改革や政治システム、外交・安全保障など7分野での包括的な国家戦略を示す「小泉ビジョン」を策定する方針を固めた。策定にあたっては自民党の若手議員らから政策を吸い上げ、議論の過程をインターネットで公開、有権者との直接対話を通じて練り上げる。従来型の政策決定過程を一新する狙いだ。うまくいけば政治と有権者の関係に大きな変化が起こるだけでなく、政党のあり方も根本から問われることになりそうだ。
今秋から冬にかけ、ビジョンがまとまった段階で出版し、総選挙の際の公約にしたい考えだ。
ビジョン作りは、首相自ら自民党国家戦略本部の国家ビジョン策定委員会の若手議員らとの協議を進め、途中経過を含めて内容を全面公開する。同本部独自のホームページを立ち上げ、首相と各議員との懇談する様子をネット配信し、国民の意見を電子メールで募る。
テーマごとの専門家ともメールで討論して内容をメールマガジンで公開するほか、パソコンの高速通信が可能な喫茶店を会場にし、官邸とインターネットで結ぶ、などが固まっている。
国民との対話で政策をまとめるのは、コンピューターなどのプログラム開発で使われる「オープンソース」(資料を全面公開して改良を募る)方式を取り入れたもの。自分の利益よりプログラムの改良をみんなで楽しむという一体感は、これまでの日本政治と有権者の間にはなかった。高支持率を背景に「永田町の論理」を破った小泉氏の次の一手といえる。
従来の自民党の政策決定は、支持者−議員−政務調査会の各部会−総務会と連なる組織を通じ、地元や支持団体への利益誘導に力を入れてきたため、国民の一部の利害しか反映しないシステムだった。
首相と若手議員らが中心に有権者直結の政策決定方式を進めれば、官僚と族議員を中心とする従来のシステムが根本的に崩れかねない。利益の分配を通じた組織固めに偏ってきた政党の集票戦略にも影響は必至だ。
「ビジョン」は首相の進める改革の全体像を明確にするのが目的で、(1)政治システム(2)経済構造改革(3)危機管理(4)外交・安保(5)生活構造改革(6)地方活性化(7)国家アイデンティティーの7分野。
経済構造改革では、改革後の経済成長率を「年1.5〜3%」に目標設定。税の増収策▽賃金体系の再構築▽起業支援の強化などを軸に具体策を詰めていく。また、経済財政諮問会議の取り上げるテーマを広げ、教育改革や司法制度改革、商法改正などを論議する必要性も指摘する。(