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財務省・日銀の通貨当局が、現在の円相場の適正水準を「1ドル=120〜140円」に設定していることが30日、明らかになった。国際金融筋によると、ほぼ3年ぶりに1ドル=130円を割り込んでいる現在の円安水準も「日本経済の実態を反映したもの」と追認する。ただ、円相場が適正水準を外れて円安や円高が進行するような場合には、市場介入で対抗する方針で、「120〜140円」は事実上の目標相場圏といえる。
円相場は、9月の米同時多発テロ事件後に外国為替市場で一時、1ドル=116円台まで急進、通貨当局は断続的に円売り・ドル買い介入し、1ドル=120円台まで押し下げた。
その後、12月初めに準大手ゼネコンの青木建設が破たんしたことをきっかけに円安が進行し、現在は1ドル=130円台を割り込む水準まで円相場は急落している。しかし、通貨当局は市場介入を実施していない。
同筋は「1ドル=110円台は日本経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)からみて、明らかに高過ぎる」と指摘する一方、「1ドル=140円の大台をさらに割り込んで円安に歯止めがかからない事態になれば、円買いの市場介入に踏み切る可能性もある」ことを明らかにしており、1ドル=120〜140円が現在の経済情勢を反映した適正水準であるとの考えを示した。
通貨当局はこれまでも「経済のファンダメンタルズを反映したあるべき水準を念頭に置いて通貨政策を行っている」(財務省幹部)と、円相場の目標相場圏を設定していることを示唆してきた。ただ、適正水準は「各国経済、国際金融情勢などで変化する」(同)と指摘しており、現在進行中の目標相場圏が明確になったのは初めて。
先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、ドル高是正に踏み切った85年9月のプラザ合意(当時はG5)や、ドル急落にブレーキをかけることを狙った87年2月のルーブル合意などで、共通の目標相場圏を設定して市場介入などで為替相場の誘導を図った。
ただ、今回明らかになった「1ドル=120〜140円」は、日本独自の目標相場圏となっている模様で、欧米諸国もこれを是認する形を取っているものとみられる。
[毎日新聞12月31日]