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【ブエノスアイレス29日=京屋哲郎】
アルゼンチンのアドルフォ・ロドリゲス・サア臨時政権が、経済再建の柱として検討を進めていたドル、ペソに次ぐ第三の通貨「アルヘンティーノ」の発行を断念する方針を固めたことが29日、明らかになった。地元メディアが伝えた。新通貨発行に伴うインフレの進行に対する懸念が市場に急速に高まってきたためで、臨時政権は、通貨政策の抜本的な見直しを早くも迫られることになった。
地元有力紙クラリンなどによると、ロドルフォ・フリヘリ財務長官が29日、エコノミストとの間で新通貨問題を議論した結果、エコノミストの間から「外貨準備などの資産の裏付けがないため、発行直後からアルヘンティーノの通貨価値が急落する懸念が強い」として、インフレの急激な進行を懸念する声が相次いだ。
臨時政権は、アルヘンティーノを変動相場制とすることで、ドルとペソを1対1で固定したペッグ制を維持しながら、通貨の実質的な切り下げに緩やかに移行するシナリオを描いていた。しかし、新通貨発行の計画が明らかになった直後から、輸入商品を中心に価格が20―30%上昇する例が目立ち、「急速なインフレを誘発し、逆に混乱を招く恐れが強い」と最終的に判断した模様だ。当面の資金繰りは、現在発行されている連邦国債「レコップ」を30億ドル程度増発することで対応すると見られる。