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1月の省庁再編で発足した経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は、「骨太の方針(経済財政運営の基本方針)」の策定をはじめ、首相主導による構造改革の“司令塔”としての1年目を終えようとしている。進行役の竹中平蔵経済財政担当相に成果と今後の課題を聞いた。 【聞き手・白戸秀和】
――小泉内閣の構造改革1年目の成果は。
◇政策の潮目を変えることができた。野放図な財政を止め、「骨太の方針」で改革の筋道を示した。不良債権も大手行が処理の上積みに動くなどの効果があった。同時に規制緩和や特殊法人の民営化にも手をつけた。
――改革の速度が遅いとの批判もあります。
◇「もっと改革して欲しい」という国民の声は伝わってくる。ただ、日本は人口も経済も驚くほど大きな国だし、霞が関(中央官庁)は成功体験に基づいた巨大な組織であり、変えるにはものすごい力が必要であることを痛感した。改革はようやく1合目にたどりついたばかり。英国のサッチャー改革も何年もかかった。来年、3合目、4合目に登れるよう一生懸命努力したい。
――歳出が削減された来年度予算案は緊縮型と指摘されています。
◇緊縮型だとは思っていない。物価下落を考えれば実質のマイナスは1%もない。補正予算の効果もあって公的需要全体は増える予定で、ほぼ中立型ではないか。しかも、税収が大きく落ち込んでいることを考えると、財政はむしろ景気に刺激的に働いている。
――デフレ・スパイラル(物価下落と景気悪化の悪循環)など景気の懸念は高まっていますが。
◇不良債権を抱えるなどリスクはあるが、デフレ・スパイラルに陥ることはないと思う。それでも来年は前半が正念場で、慎重かつ大胆な行動が必要になるだろう。
――来年も諮問会議のテーマは多い?
◇構造改革の議論をより本格的にしていきたい。税制改革、経済活性化に政府系金融機関のあり方を議論する。予算編成プロセスの改革も進める挑戦的な1年になる。
――与党からは諮問会議の突出ぶりがやゆされています。
◇省庁再編自体、内閣主導を理念として掲げている。実行に当たってはは政府・与党がともに変わらないといけない。初めのうちは試行錯誤があり、その先導役に諮問会議がなっている。虚心坦懐に与党の意見を聞きながら、原則を曲げない対応をしたい。