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03年4月に郵政事業庁が衣替えして設立される「日本郵政公社」の郵便部門が発足当初から約6500億円の債務超過に陥ることが総務省の試算で明らかになった。郵便貯金部門の自己資本比率は1%未満の著しい過小資本になる見通しで、公社の資本不足問題が浮き彫りになった。独立採算経営を安定させるには資本の充実が必要で、民営化議論での大きな課題になりそうだ。
新公社は中央省庁等改革基本法で「企業会計原則」の導入が義務づけられており、多額の退職給付引当金の計上や時価会計の導入が新たに必要になる。総務省は00年度決算、01〜02年度の予算などをもとに同原則にもとづく新公社の貸借対照表を作成。公社化のあり方を検討している総務相の諮問機関の郵政公社化研究会(座長・南直哉東京電力社長)に示した。
それによると、職員約29万人分の退職給付引当金は2兆8397億円にのぼることが判明した。その結果、公社の資産(約439兆円)から負債(約437兆円)を差し引いた資本金の額は約1兆8800億円となる。自己資本比率は0.4%と、10%以上が一般的な民間企業と比べ大きく劣る。
部門別では、赤字体質となっている郵便が資産約2兆6900億円に対し負債は退職給付引当金などで約3兆3400億円に膨らみ、債務超過額は約6500億円となった。
郵貯では、実質資産が約250兆円に対し、資本は約2兆3000億円と、自己資本比率は1%未満にとどまることがわかった。郵貯部門は市場運用で損失を出す危険性が高く、郵政公社化研究会の民間委員から「1%に満たない自己資本比率では経営体質が弱すぎる」と指摘する声が出ている。
簡易保険部門は、資産とそれに対する準備金などがほぼ約123兆円で見合い、資本は約2200億円だった。
総務省側は「郵貯部門が大手銀行並みに総資産に占める資本比率を3〜5%に高めるには10兆円程度の新規資本が必要」としている。ただ、資本金の積み増しには国が一般会計から支出したり、国鉄民営化で採用された負債の切り離しをしたりする必要がある。いずれも巨額の国民負担になるため反発も予想される。総務省は「現実的には公社化後の利益を積み立てていくしかない」としている。
(09:51)