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政府は28日、個別の大手行の株価が急落した場合でも、金融システムの動揺につながりかねないと判断した場合は、公的資金を投入する方針を固めた。これまで政府は公的資金の新たな投入について、株式相場全体が下落し株式を大量に保有する大手各行の健全性に影響を及ぼしかねない場合などに限定する考えだった。しかし、最近の銀行株急落を強く懸念、金融危機の再発を回避するため公的資金投入の条件を新たに追加することにした。
小泉純一郎首相が27日、自民党三役などに「2、3月危機を回避するため」、公的資金の再投入も辞さずという姿勢を示したのも、こうした方針を踏まえたものとみられる。
金融庁は公的資金投入の新たな条件として、個別の大手行の株価が額面を大きく割り込み、それが預金の大量流出や短期金融市場での資金調達難につながる恐れが強まった場合などを想定している。大手行の一角がこうした危機に見舞われれば、特定地域の信用不安や、金融市場で邦銀が資金調達する際に外国銀行よりも高い金利を払わなければならない「ジャパン・プレミアム」問題などが再燃しかねないと判断した。
金融庁はこれまで、公的資金再投入の条件について、株式相場全体の下落や大幅な不良債権処理の結果、銀行の自己資本比率が健全基準(8%)を下回る場合などに限定してきた。
しかし、大手行を中心とした銀行株は最近、「金融庁の特別検査で不良債権額が膨大になる」などといった風評で、実際の財務内容とはかけ離れた形で急落。このまま放置しておけば、金融システム全体の不安定化につながりかねない恐れが出てきた。
銀行に対する公的資金の再投入は、預金保険機構に設定されている危機対応勘定(15兆円)から「国や地域の信用秩序に重大な支障が生じる恐れがある場合」などに実施できる仕組みになっている。【木村旬】