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このまま日本経済は沈没していくしかないのか。「すべては小泉首相の決断次第です」と語るのは、経済アナリストの森永卓郎氏だ。
「いま、日本の銀行は土俵際に立たされています。このままだと新しい不良債権がどんどん増えて、銀行はその処理のために資本を減らし、(5)4大メガバンクはすべて国有化されることになる。それを防ぐには、小泉首相がデフレを止めると宣言して、インフレターゲット政策のカードを切るしかないのです」
しかし、小泉首相はデフレ政策を続ける。青木建設が破綻したときも、「構造改革が進んでいる表れ」とコメントしたくらいなのだ。このままいまの政策が進めば、「リストまでできた(6)問題企業30社のうち半分が破綻してもおかしくない」(経済ジャーナリスト・小泉深氏)。
銀行は不良債権処理のため、株の含み益を吐き出し、資産を売却し、ついに、三井住友、UFJ、あさひ、大和などは“最後の砦”の法定準備金を取り崩すことになった。
「4大メガバンクの国有化だけでなく、東京三菱と三井住友、みずほとUFJがそれぞれ合併し、(7)銀行が2行に再々編される。柳沢伯夫金融担当相のように『公的資金を投入しない』などと言ってふんぞり返っている人がその座にいると、大変な事態になりますよ」(西南学院大学経済学部教授・及能正男きゆうの まさお氏)
本誌12月15日号で報じたとおり、東京三菱と三井住友が統合した「三井三菱住友銀行」と、みずほとUFJが統合した「あすか銀行」ができるわけだ。慶応義塾大学経済学部教授の金子勝氏は言う。
「このまま公的資金を入れず、手をこまねいていれば、銀行は破綻寸前の状態に陥るでしょう。そのとき、国有化を避けるための窮余の一策として、資産をどんどん売り払い始めかねない。そうなれば、たとえば(8)みずほが外資のハゲタカファンドに買収されることも考えられます」
また、統合を予定している大和とあさひの両行も、先行きには不安定な要因がある。
「あさひは株価が一時50円台まで落ち込みましたが、今後もし額面を割った場合、公的資金を注入する議論が浮上してくる。そうなれば(9)あさひと大和の統合は破談になるかもしれません」(経済ジャーナリスト・須田慎一郎氏)
まさに銀行は、雪崩を打って崩壊しかねない状況になる。しかしその一方で、思わぬ分野から銀行業への“新規参入”がありそうだ。
「(10)トヨタ銀行設立の動きが本格化しそう。以前からトヨタ社内には、『リテール(個人向け)の金融業務をやろう』という構想があったのです」(経済ジャーナリスト・宮尾攻氏)