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最近の円安について、市場関係者の間では、「国内景気の先行きなど当面、円高材料は見当たらない」と、一段の円安を予想する見方が大勢だ。しかし、急速に進む円安に対しては、輸出が増加し景気を下支えする「良い円安」なのか、日本からの資本流出につながる「悪い円安」なのか、両方の見方があるのも事実。為替の影響をどう見るか、エコノミストに聞いた。
現在の為替水準については、「景気をある程度支える効果はある」と積極評価する声がほとんど。BNPパリバ証券の河野龍太郎・経済調査部長は、「輸出企業の53%はドル建て取り引きなので円安・ドル高で利益が膨らみ、設備投資や生産の下支えとなる」と指摘。「理想は150〜160円」と一層の円安を訴える。「経常収支などから見て、適正水準は140円程度」(大和総研の岡野進・経済調査部長)との見方が最大公約数といったところだ。
しかし、円安の進展でも株式市場は目立った反応を見せないなど、以前とは違った事情もうかがえる。
みずほ証券の熊谷亮丸・シニアエコノミストは「日本の輸出企業の競争力が(中国の台頭などで)衰えており、以前ほどメリットを受けなくなった」という。出発点は「良い円安」でも、長期的には「悪い円安」になる可能性があるわけで、熊谷氏は「135円を過ぎると弊害が目立ってくる」と指摘する。
また、中国の安値攻勢に加えて、日本も円安で輸出攻勢をするのか、という懸念から、アジアの一部からは警戒の声も出始めている。国内からも「円安は衣料、食品など輸入品の高騰を招くし、過去の蓄積を減価させるもので、消費者を無視した政策」との指摘も少なからずある。 【藤好陽太郎】
[毎日新聞12月26日] ( 2001-12-26-21:54 )