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(回答先: 円は弱い通貨だとは思わない=日銀総裁[東京25日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 25 日 12:45:25)
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■おかしいのは日本ではなくて米国のほう
2001/12/25 (火) 18:36 by 藤原直哉 No.20011225183655
速水日銀総裁の21日の記者会見要旨がHPに出ています。
http://www.boj.or.jp/press/kisha112_f.htm
日本と米国のお金の流れを今回はグラフを使って説明しています。おかしいのは日本ではなくて
米国のほうですよというメッセージが読み取れます。日本の金融システムについても破綻から特融・
国有化へ向けて腹をくくったように読めます。残念ながらFRBは米国金融システムの規模がでかすぎて
腹がくくれないのです。しかもドルは借金で成り立っている通貨ですから。日銀も国債が暴落すれば債務超過に
なって、国から増資を仰ぐ羽目になり、速水さんも引かざるを得ません。そういう結末が待っているならなおさら、
速水日銀は来年日本と米国を全部合わせて一刀両断に闇を斬りに行きますか。大和古流の友常当主が言っておられました。
日本刀は抜くな抜かすな、斬るな斬らせるなであると。しかし斬るときには成仏しろよと念じながら一刀両断にするのだと。
米国も日本のそういう一刀両断を怖いと思っているでしょうが、米国にはオサマビンラディンも炭疽菌も何でもそういう
脅威はいくらでもあります。潜在的脅威を作ってしまってあとからそれにおびえるのは米国の日常生活。決して日本の金融
だけが脅威なのではありません。銀行もばたばた行きはじめましたし、政府の予算もぎりぎりまで詰められましたし、
アルゼンチンも破綻しましたし、エンロンもこれからいよいよ実態が明らかになるところですし、そろそろ潮時のように思います。
藤原直哉 拝
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http://www.boj.or.jp/press/kisha112_f.htm
総裁記者会見要旨 (12月21日)
2001年12月25日
日本銀行
―― 平成13年12月21日(金)
午後 3時から約65分
一部抜粋
(問) 為替相場についてだが、マーケットでは円相場が本日3年ぶりの129円を超える水準まで進んでいるが、日本経済にとっては輸出
の促進とかデフレ解消といった面からプラス効果を指摘する声もある一方で、「日本売り」ということで日本経済への信認低下を懸念する声
も根強いと思う。現在の相場動向について総裁のお考えを伺いたい。
(答) ここへ来て急に円が弱くなっている背景は何なのかまだはっきりしないが、今おっしゃったように銀行株が急落したりして金融シス
テムは大丈夫なのか、あるいは問題企業の破綻が起るのではないかという懸念が内外の市場で動いているのではないかと思う。特に銀
行の株価が急落したことが為替にも響いたのではないかと思う。
しかし、昨日、今日のところは銀行株もやや持ち直してきているように思うし、アメリカの方も来年中頃から立ち直ってくるかどうかそ
の辺もまだはっきりしない。現在の円/ドルレートが行き過ぎなのかどうか、ここで私はコメントはしたくないと思う。ファンダメンタルズに比
較してどうなのかということだが、ただ下がり方がやや急であるということは言えるのではないかと思う。
昨日今日、あるいは今日明日、レートがどうなるかということよりも、もう少し長い中長期の目で日本の国際的な資金の流れ──そ
れは経常収支もあるし資本収支もあるし為替レートの動きもあるし──を見て頂きたいと思う。その資料を皆さんにお配りしてこの機会に説
明させて頂く(別添資料を配布)。
私は海外の方が来るたびに、これをお見せして、日本の国際的な金融、資金の関係というのはこういうことであると示すと、皆さん非
常に安心して、こういう面があったのですかとおっしゃられる。古い話を聞くのは嫌だという方がおられるかもしれないが、これが現在の市場
を動かしているということを忘れて頂きたくないと思うので、この機会を使って、私がいつも説明している3つの表をご覧頂きたい。
この表の他に日本経済のポテンシャルズ(潜在力)という表現を使って説明しているのだが、その第一が、なんといっても家計の金
融資産が1,400兆円──GDPが500兆円としてその2.7倍以上──ある国は他にない。そのうち55%が間接金融(預貯金)で、13%が直
接金融に流れている。あとの30%は保険である。
アメリカの場合はそれが逆で、直接金融が50数%、銀行に預けているのが12〜13%ということで、その辺に大きな違いがある。しか
し、それは日本が今まで間接金融中心でやってきたということを積み上げた結果である。それも一つのポテンシャルズには違いないと思う。
一番上の表は円ドル相場で、1971年のニクソンショックから2001年に至る30年の間に、360円が128、129円と約3倍近く上がってい
る。
それから、そういうものをもたらす背景に、二つめの経常収支がある。皆さん貿易収支ばかりおっしゃるが、金の流れとしてはこの経
常収支が大事である。太い線が日本の経常収支の黒字であるが、左右の数字はGDPに対する比率である。ご覧のように1981年から20年
間、日本は概ね2〜4%の経常黒字を保っている。去年は2.4%ぐらいであったが、今年もおそらくそれぐらいである。貿易収支の黒字が減
ったと新聞はお書きになっているが、それは確かに減った。輸入が増えているのだから。しかし、経常収支で貿易にインビジブル(サービス
収支)を入れ、かつ今一番増えている所得収支を入れれば、経常収支になる訳だから、2.4%、約10兆円を超えるだろう。GDPの2.4%の黒
字という国もない。過去20年経常収支がずっと黒字が続いている国というのは他にないと思う。貿易収支が少なくなっていったら経常収支
が赤字になるのではないかとご心配される方がおられるが、経常収支の中身を見てみると、確かに貿易収支の黒字は減少してきている
が、それに代わって所得収支が経常収支の黒字の約8割を占めている。おそらく年間で10兆円くらいいくだろう。
次にアメリカの経常収支もご覧頂きたい。経常収支の赤字は今やアメリカのGDPの4%を超えてきている。そこのところに、国際通
貨の基軸として今一つ不安を残すところがあると私は思う。
それからその背景にある日本の対外純資産残高(net external assets)が、86〜87年からずっと増えだして、昨年末で1兆2,000億
ドル(約150兆円)である。経常収支の黒字を積み立てて、それをどんどん海外に出している訳である。この中には4,000億ドルの外貨準備
も含まれている。それは運用されているから、ドルの預金や外債を買っている。1兆2,000億ドル、すなわち約150兆円の対外債権があると
いう国も他にはない。
この対外債権が金利、収益を持ち込んでくる。ご承知のように、対外直接投資として中国の上海近辺に日本の中小企業がどんどん
出ていっている。そういうところはみんな儲かっている。それはたしかに国内には空洞化を起こしている。しかし、中国の例では、出ていって
儲けた分をドルに変えて日本に送金し、税金もかからない。彼らは直接投資が来ることを歓迎しているからであろう。そういうものはここへ来
てぐっと増えている。年間の運用益というのが先程申し上げた所得収支になるが、約10兆円くらいになる。それが経常収支の黒字を支えて
いる。
下の表をご覧頂くと、逆にアメリカは約2兆2,000億ドルの対外収支の負債超過である。我々はドル債務と言っている。アメリカが海
外で持っているドル残高といった方がいいかもしれない。これはアメリカの中長期の弱みである。これは相場にも当然影響がある訳で、経
常収支で海外直接投資をしたものの金が入ってくる、預けている預金の金利が入ってくる、あるいはドル債権の利払いや配当金が入ってく
る、そういうものはほとんどドルで入ってきて、ドル売り円買いで交換されている。そういうものが円ドルの相場を作っているのだということを
記憶に残して欲しい。
一日一日株を売った買ったで相場は動くが、そこに流れているネットの動きというのはそういうものがある。だから、色々外資が外へ
流れたとかいう動きがあって弱くなったりすることがあっても、一遍に弱くなることはない。昔はほとんどそれで相場は決まっていたが、最近
は資本の売り買いが色んなかたちで行われているから、全体として、日本の経済が今まで積み上げてきたポテンシャルズが必ず相場には
出てくるはずである。そういう中長期の流れをよく頭にいれて、相場のことを言って頂きたいと思う。そのことだけ申し上げて、私が現在の相
場がどうだということは控えさせて頂きたい。
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(問) 自民党の一部の国会議員に日銀法を改正する動きがある。今日もその会合があって、総裁が「外債購入は日銀法40条2項ででき
ない」とおっしゃっていることに対し、「それは可能である」との見解をまとめた。これは、内閣法制局、財務省の専門家の意見を参考にして
そういう認識に至ったということであるが、総裁は、「外債購入は現行法ではできない」というこれまでの主張を改めるつもりはあるのか。あ
るいは検討する余地があるとお考えか。
(答) 今日の「緊急アピール」については、私はよく知らないが、今の日銀法というのは、各界の英知を集めて国会で色々議論を重ね、
国会でお決め下さった法律であって、私は世界に誇る中央銀行法だと思っている。私の使命はこうした日銀法の理念を実現するために精
一杯努めることだと思っている。
ご質問の外債の買い入れというのは、私は今その必要はないと思う。外債を買うことには二つの狙いがあるが、一つは、ドルの需要
を起こすことによって円安にすること、もう一つは、円資金の供給を増やすことだと思う。私は、あの法律をみて、ドルの需要を起こすような円
売りドル買いをやるというのは、明らかに介入の一種であると思う。そういうことをやれば、これは法律違反になる可能性は十分にある。そ
んな危ないことをやる必要はないと思う。それだけのurgencyがあれば、それなりに動かなければならないかもしれないが、今その必要は
全くない。それでは、どこかの特別な機関なり、あるいは政府、中央銀行に頼んで、特定の取引をやるといっても、出ていった円は市場に回
るものではない。そのようなことを考えれば、この政策というのは恐らく今急いでやるようなものではない。先ほど申し上げたように、中長期
でみた時に、ドルだってどのようになっていくか、先は読めない。現に、最近でも米国の長期国債の金利は上がっている。公定歩合は下げ
ているのに、長期金利は5.0%に上がっている。日本は今1.3%である。それはやはり、中期長期には、投資家も国民も読めないでいるとい
うことだと思う。そういう長期の国債について、私どもが出す銀行券──手形を出すようなものであるから、それは私どもの負債であるが─
─の見合いの資産として、ドルの債券、外貨の債券を持つということは、私は健全な政策ではないと思う。
それと同時に、この間もCPや社債を買えという話もあったが、それなども、今度やっているように現先のCPオペでやるのであれば、
銀行から買うのであるから、銀行が責任を持ってだめな時にはカバーしてくれるが、直接買うというのはそういうものではない。その辺も誤
解のないように書いて頂きたい。CPは現先のオペであり、社債も担保として入るのであって、買ったりはしない。そのようなことをやっている
中央銀行は他にない。それぐらいのことは中央銀行の常識である。
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(問) 3月以降の量的緩和策を振り返って、その効果はあったとお考えか。効果はないという声もあるが、どうか。
(答) 量的緩和は、金利を低下させるし、資金量も増やすので安心感を与える。それはやはりプラスだと思う。問題は、銀行の貸出がず
っとこのところマイナスであって、そこのところに問題がある。銀行は、信用仲介機能という銀行が持つべき機能を十分に発揮していなかっ
たと言えると思う。やはり、恐かったからではないか。需要もなかったし、そこへもってきて、また不良債権を作っては困るとの気持ちもあっ
たと思う。それを今、銀行は貸出の効率化について極めて積極的に考え始めている。いいところにはどんどん貸すが、悪いところには金利
を高くするのは当たり前だと、それはその通りだと思う。場合によっては、貸すことを止めることもあろう。そういうふうにして、はじめて収益は
上がっていく。この前も申し上げたが、日本の銀行の利鞘は0.5%、米国は3.2〜3.5%である。それではバンキングは成り立っていかない。
儲かることを――貸出の効率化と同時に、もう少し新しい仕事も――どんどん作っていって、新しい業務をやっていくことも、ひとつの方法だ
と思う。世界の銀行は色々な新しいことをやっているようである。私も話を聞いてびっくりしたが、最近日本の銀行は海外店を引き揚げて、あ
まり外で何をやっているかを良く見て真似をする余裕がなかったのだと思うが、これから、そういうことももっとやっていかなくてはならない。
外銀、外証が入ってきてどんどん刺激をしてくれることは良いことだと思う。せっかく日本も金融市場を作ろうとして、橋本龍太郎元総理の時
にビッグバンをやった。あれが途中で止まっていたが、入る方も、もう少し入ってきていいと思う。日本は、資本が入ってくるのが非常に少な
い。それでネットの債権超過が1兆2千億ドルにもなっている。もう少し入ってくれば、日本の雇用の稼動にもなるであろうし、入って来られ
てはかなわないということで止めていたということも今までずいぶんあったと思うが、そういうこともオープンにしていかないと、世界にはつい
て行けなくなる。
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(問) アルゼンチンの経済危機について、かなり深刻な状況が伝えられているが、世界の金融システムやわが国にどのような影響があ
るとお考えか。サムライ債も結構あるが。
(答) 8月の終わりにBISの会議から帰ってきて、アルゼンチンの話をした覚えがあるが、それ以来、私はアルゼンチンを最も心配してい
た。その間IMFも色々と手を打ってきたが、今はアルゼンチンについてはどちらかというと冷たい感じになっているのではないかと思う。政治
がこれだけ無政府状態のようなことになって、銀行が全部窓を閉めてしまっている訳で、情勢が大変緊迫していることは間違いない。国際
金融市場への影響については、隣国のブラジルでも多少影響はあったものの大丈夫だとの返事を聞いていたが、欧州、米国の中央銀行も
大変注目していた。これからも何が起こるか分からないので何とも言えないが、隣国のブラジルとか、スペインの銀行――スペインは歴史
的にも長い繋がりがあるが――の資産がどうなるのかということは、前から心配していた。政治がこういうふうになってしまうと、カバロとか、
今までずいぶん長くやっておられた人がみんな辞めていかれる訳で、どうなっていくのか、今のところ何とも言えない。出ていった金がどこ
に流れていくのか。出しているお金がどうなるのか。日本でもサムライ債を政府が出したり、ユーロ円債を出したり、色々あるようだから影響
があることは間違いない。比較的個人の問題が多い。日本の政府や企業、銀行が大量に貸しているという訳ではないから、その辺のところ
は、今後の動きをよくみていかないと分からないが。