★阿修羅♪ 国家破産5 ★阿修羅♪ |
アルゼンチンが債務支払い停止宣言を出して事実上の債務不履行(デフォルト)状態に陥った。借りたカネが返せない。これにより、同国の発行する債券を買っていた投資家は相当の高い確率で損を被ることになる。マイカル債、MMF(エンロン債)に続き、日本の投資家は債券投資で嫌な経験をすることで株式にとどまらず日本の投資家の債券離れが懸念される状況となったようだ。
130円に迫る円安、デフレ経済下の緊縮財政。来年度予算案は、30兆円枠にこだわるあまり随所に特別会計での借入等隠れ借金が復活し財政の不透明化も懸念されている。また、金融庁は空売り規制を強化して投機的な取引を抑制するという。デフレに有効な施策が打ち出せないから、株は下がると思う。そう思うから持っている株に対する値下がりに対するヘッジ(ヘッジ)をかける。そのような投資家の緊急避難的な動きを抑制する対応は遠からず市場の流動性を奪うことになるだろう。
株式が本来価値及び本来価値を下回った水準になれば、自然発生的にそれを買いチャンスとみた投資家が資金を投じるものだ。それが市場の自律性である。株価を下げないように、公的な資金等で買い支えるとか、売りを抑制しようとかいう発想は本来の株式価値と株式時価のかい離を生じさせ結局、市場からのしっぺ返しを食らうことになるだろう。
社会主義経済ではあるまいし株価の高い安いは、政府が決めることでも発行企業が決めることではない。市場が決めることである。政府も発行企業も株価を高くしたいのであれば、株を投資家が買いたいと思うような政策や企業努力をするべきであり、売りをすることがまるで悪のようなムードを醸成して売り難くさせることは本末転倒だろう。
先に売れば、後で買い戻し損益が確定する。空売りは将来の買い予約である。この予約は、市場の底が入ったと思えば損失覚悟の買い戻しが入り上昇相場入りのきっかけとなるエネルギーでもある。それを抑制することは、東京市場はヘッジ(保険)の効かない市場となる。リスクを嫌う投資資金は、保険をかけられないならと流出することになるだろう。ましてや、今後、3月末にかけて持ち合い解消売り等で需給悪化が予想されているのであるから。
そして、信託銀行経由での年金買いで支えきれなくなった段階で、本来価値の株価と買い支え等で歪められた株価とのギャップを埋める下げが生じる可能性が高まったと警戒しておきたい。その際、市場に出てくる売りは、買い予約のつかない売りであり、当局や株価が安くなった際の経営者のいうところの「投機的な売り」ではなく「投げ売り」である。市場の価格形成プロセスを人為的にいじろうとする咎めが来年1月-3月にかけて出ることが予想される以上、当面は日本株はロングで入れなくなったと認識しておきたい。