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主要都市銀行八行の九月末現在の預金残高の詳細が、二十一日までに産経新聞の集計により明らかになった。来年四月のペイオフ解禁を控え、「メガバンク」と呼ばれる大手金融グループへ預金が集まるなど、都銀間にも格差が広がっている状況が鮮明になった。また金融機関の破(は)綻(たん)で減額の恐れが出る定期預金などの「定期性預金」が減少する一方で、一年間は全額保護される普通預金や当座預金などの「流動性預金」が増加するなど、預金者が“自己防衛”に走る姿が浮き彫りになっている。
今回、平成十三年九月中間決算の資料をもとに、流動性預金と定期性預金を調べ、それを合計した預金残高(国内)をまとめた。
これによると、(1)定期性預金の残高が時間を追って減少する一方で、流動性預金は東海を除いては増えている(2)下位行ほど残高に減少傾向が見られる−の二つの大きな流れが見られる。
まず「定期」から「流動」へのシフトについては来年四月にペイオフが解禁されることとの関連が推測される。ペイオフ実施後は、金融機関の破綻で一千万円を超える定期預金などが削減される恐れがあるが、流動性のある当座預金や普通預金などについては平成十五年三月末まで全額が保護される。外資系銀行アナリストは「当面の安全を確保するため、流動性預金へと移し替える預金者の知恵では」と指摘する。
また最近、中小金融機関の経営破綻が過去にないペースで相次いで発生していることも、この動きと関連がありそう。ペイオフ解禁後の不安感を考えると「規模の大きい銀行のほうが、安定感が高いという心理が働き、預金が移動しているのでは」(別のアナリスト)との観測がある。
これは都銀の間での格差問題とも関係がありそうだ。預金残高合計を見ると、みずほフィナンシャルグループの第一勧業、富士など五行が一年前より残高が増加しているのに対し、東海、大和、あさひの三行は減少。また定期性預金の減少幅については、富士、三井住友、大和、あさひが一年前より一兆円以上も減らしている。
ただし金融機関の破綻に対応したセーフティーネット(安全網)として用意されている預金保険制度では、預金の残高が多いほど次の営業年度に支払う保険料も高くなるなど、預金量の増加はプラス面ばかりとはいえない。逆に低金利時代で預金の運用が難しく、利益率を高めるために預金を圧縮する動きもある。