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「こんなリポート発行を許す会社には、今後絶対に売買注文を出さない」―。米系のメリルリンチ日本証券が発行した投資リポートを巡って、同社の有力顧客である投資信託、投資顧問などの女性ファンドマネージャー(FM)が激怒している。
怒りの矛先は、メリルリンチ日本証券ストラテジストが執筆した投資リポートのカバーレターだ。皇太子妃雅子さまのご出産に際し、「男児が良かったのでは」との趣旨の序文を寄せたことがきっかけ。リテール部門の大規模リストラの行方を巡って同社の先行きに注目が集まる中で、思わぬミソがついた格好だ。
●「明確な男女差別」
リポートを執筆したのは、同社で株式投資の戦略分析を担当するストラテジスト。
3日付で同社の有力顧客向けに電子メールを通じて問題の文書が配信された。このストラテジスト氏は11月の相場を回顧するリポートを添付する際、カバーレター的に皇太子妃雅子さまのご出産に触れた。同氏は、皇室に女児が誕生したことについて「確かにおめでたいことですが、36年ぶりの男児誕生のニュースだったら、消費者心理や株式市場に対してもっとインパクトがあったような気がします」と指摘したのだ。
加えて女児誕生に触れた文書の最後の部分に、括弧書きでわざわざ「男女差別をする訳ではないですが」と触れたため、逆に「明確な男女差別が意識の根底にあることの証明だ」(欧州系運用会社)との怒りを買ってしまった。
●深刻な事態にも
同氏と同様の見方を示すエコノミストやアナリストがいたのは事実だが、「会社を代表して意見を提示する場面で、こうした見方を示すのはあまりにも配慮を欠く行為」(銀行系証券エコノミスト)として、掲載を見送った経緯がある。同氏のリポートは、男女雇用機会均等法が施行されている中では「男女差別を助長していると受け止められても不思議ではない。危険なもの」(外資系証券)との見方がもっぱらだ。
また同氏のこうした意見表明に関して、「普通のコンプライアンス(法令順守)担当者ならば配布を許可しない」(米系運用会社)はずとも。
10人以上のアナリストを解雇し、業務執行が不安視される同証券について、「コンプライアンスの不安まで浮上している証券会社には、売買注文を出せない」(別の米系運用会社)との声まで出てきた。同リポートに起因する悪影響が、今後同社にボディブローのように効いてくるかもしれない。
[相場英雄 2001/12/12 14:28]