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12月に入って100円割れ銘柄が続出。東証1部の8社に1社が不名誉な「2ケタクラブ」に仲間入りしている。株価が2ケタに転落すると、なかなか3ケタ(100円)を回復できないのは、証券ディーラーや個人投資家の買いが入りにくくなる「仕組み」が存在するためだ。
●リスク取れぬディーラー
「ディーリング禁止銘柄が毎日増えていく」。ある証券会社のディーリング部門幹部は話す。証券会社ではリスク管理のため、倒産の懸念がある銘柄のディーリングを内規で禁じる事が多い。特に、大幅な債務超過銘柄や額面50円を割った銘柄は、例え日計りであっても売買対象から除外することが多い。
証券会社は手数料収入の落ち込みで損失許容度が低下。リスク管理を徹底するため「100円未満は売買禁止」とハードルを上げる動きが散見される。「以前なら“結果オーライ”で、利益さえ出れば禁止銘柄でも売買を黙認していたが、最近は一律禁止を徹底している」と先の幹部は打ち明ける。さらに、営業部門でも「額面割れ銘柄の注文ばかり取ってくる支店営業マンには、本社が直接指導している」(中堅証券)といい、投資家の押し目買いも入りにくくなっている。
こうしてディーリング部門と営業部門の双方が「超低位銘柄」から手を引いた結果、2ケタ台に転落した銘柄は、一部の契約ディーラーや個人投資家、カラ売りの買い戻ししか買い手が現れないため、株価浮上が難しくなるのは、当然といえる。
●再浮上のきっかけは新年度までお預け?
こうした2ケタ銘柄が再浮上するには地味な答えにはなるものの、業績改善がイチバンの特効薬となる。ただ、製造業を中心に“名門企業”ほどその危機感は薄い傾向にある。「3カ年計画は3月下旬に発表する」(機械メーカー)、「これまで現場の人員をかなり減らしてきた。来年発表予定の経営再建策は管理職の削減が精一杯」(素材メーカー)と、市場の要求する「大胆かつ迅速に」からはほど遠く、4月から5月にかけての決算発表時まで反転はお預けになりそうだ。
●大型株に投資妙味、再組み入れ需要を狙う
ただ、2けた銘柄が100円台を回復した場合、ディーラーの参戦が増え、機関投資家が再度、投資対象に加えることになる。この際、大型株、つまり発行株数の多い銘柄ほど時価総額が膨らむので、機関投資家が再度、組み入れに動くことは想像に難くない。株券の数が多く、利益が拡大しても増配できない上、値動きが重いなど“嫌われ者”扱いが続いた大型株が脚光を浴びることも想定しておきたい。
(半沢 昭悟)