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日本銀行が発表した12月の企業短期経済観測調査は、米同時テロや株価低迷、不良債権処理に伴う企業倒産といった構造改革の「痛み」など、複数のマイナス要因が日本経済を直撃し、企業経営者の心理を冷え込ませていることを裏付けた。景況感だけでなく、雇用や資金繰り、投資計画などあらゆる面で悪化が続いており、日本経済がデフレ・スパイラルの入り口に立たされている現状を物語っている。18、19日の日銀政策委員会・金融政策決定会合では、追加的な金融緩和策について突っ込んだ議論が行われると予想される。
業況判断DIを見ると、大企業・非製造業はマイナス22と、製造業よりもマイナス幅は小さいが、製造業が先行き改善を見込んでいるのに対し、非製造業では、一段と景況感が悪化すると見込んでいる。
非製造業には「建設・不動産・流通」の過剰債務3業種が含まれている。大手銀行の不良債権処理が本格化する中で、整理・再編の対象と目される業種で、先行きの危機感が高まっているようだ。
建設業は、業況判断DIが前回のマイナス36からマイナス42へ低下し、先行きはさらにマイナス50に落ち込む予想だ。小泉政権が掲げる構造改革の痛みに対する懸念が、企業家心理に反映され始めたと言える。
また、中小企業の場合、製造業、非製造業ともに6―7ポイントの先行き悪化を予想しているのも特徴。大企業と中小企業との景況感の格差が一段と広がりつつある。
デフレの特徴である価格の低下も企業経営を圧迫している。大企業・製造業で販売価格が「上昇した」と答えた企業の割合から「下落した」と答えた企業の割合を差し引いた販売価格判断DIはマイナス37で5期連続の悪化となり、デフレ圧力が一段と強くなっていることを示している。
景気悪化と構造改革のダブルパンチに苦しむ企業経営者からは、一段の金融緩和や財政による景気テコ入れなど、追加策を求める声が今後高まることも予想される。(経済部 川戸 直志)
(12月12日14:01)